元恋人と、今日から同僚です
第13話 あの夜の真実
距離を置くと言ってから、一週間が経った。
朝倉は、約束を守ってくれている。
仕事の話はするけど、それ以外は何も言ってこない。
必要最低限のコミュニケーション。私が望んだ通りの関係。
なのに、楽にならない。
むしろ、苦しい。
朝倉の姿が視界に入るたびに落ち着かない。話しかけられないことが寂しい。
距離を置きたいと言ったのは私なのに。
◇
金曜日の夕方。
特集の発売日が近づいていて、編集部は慌ただしかった。
私は、校了後の事務作業に追われていた。
「結城さん」
藤堂さんに呼ばれて、デスクに向かう。
「この特集、反響がいいみたい。SNSでも話題になってるよ」
「本当ですか」
「うん。読者参加型の企画が当たったみたいだね。朝倉くんのアイデア、よかったよ」
朝倉のアイデア。それが、成功の要因になっている。
「朝倉さんに伝えておきます」
「うん、よろしく」
席に戻り、朝倉の方を見る。
彼は、パソコンに向かって黙々と作業している。
伝えなきゃ。
でも、話しかけるのが怖い。
一週間、まともに話していない。
仕事上、最低限のやり取りだけ。それ以外は、目も合わせていない。
話しかけるのも、なんとなく気まずい。
結局、私はメールで伝えることにした。
『特集、好評みたいです。SNS企画のおかげです。ありがとう』
送信ボタンを押して、画面を見つめる。
すぐに、既読がついた。
返信が来る。
『ありがとうございます。結城さんのおかげです』
短い文章。業務連絡。そっけない返事。
私が望んだ通りの距離感。なのに、胸が痛い。
朝倉は、約束を守ってくれている。
仕事の話はするけど、それ以外は何も言ってこない。
必要最低限のコミュニケーション。私が望んだ通りの関係。
なのに、楽にならない。
むしろ、苦しい。
朝倉の姿が視界に入るたびに落ち着かない。話しかけられないことが寂しい。
距離を置きたいと言ったのは私なのに。
◇
金曜日の夕方。
特集の発売日が近づいていて、編集部は慌ただしかった。
私は、校了後の事務作業に追われていた。
「結城さん」
藤堂さんに呼ばれて、デスクに向かう。
「この特集、反響がいいみたい。SNSでも話題になってるよ」
「本当ですか」
「うん。読者参加型の企画が当たったみたいだね。朝倉くんのアイデア、よかったよ」
朝倉のアイデア。それが、成功の要因になっている。
「朝倉さんに伝えておきます」
「うん、よろしく」
席に戻り、朝倉の方を見る。
彼は、パソコンに向かって黙々と作業している。
伝えなきゃ。
でも、話しかけるのが怖い。
一週間、まともに話していない。
仕事上、最低限のやり取りだけ。それ以外は、目も合わせていない。
話しかけるのも、なんとなく気まずい。
結局、私はメールで伝えることにした。
『特集、好評みたいです。SNS企画のおかげです。ありがとう』
送信ボタンを押して、画面を見つめる。
すぐに、既読がついた。
返信が来る。
『ありがとうございます。結城さんのおかげです』
短い文章。業務連絡。そっけない返事。
私が望んだ通りの距離感。なのに、胸が痛い。