たい焼きの頭としっぽ〜歳の離れた弟を育てていたら、幼なじみの御曹司俳優までお世話することになりました〜
ひと夏の思い出
その日から、私は湊との約束どおり、少しでも身体が空いた時間を、バーベキューの準備のために使うようになっていった。
「すみません。あのー、湊のオフ日を教えていただたくて……」
「あっ、湊くんのオフですね!わっかりました!確認次第、すぐに折り返します!」
「はい!よろしくお願いします」
(………ん?あれ?)
根元マネージャーは毎日秒単位で動いてくれている。いつもならこのまますぐに通話が終了するはずだ。
なのに、また声が聞こえてきた。
「……でも、急にどうかされました??」
「えっ?あっ、いやあ……実は、バーベキューをしようという話になりまして……」
「柳生さんのお宅で、ですか?」
「はい。まだ柳生さんのスケジュールは分からないんですけど……テラスは貸していただけるそうなので……」
「じゃあ最悪は、お二人で?」
「ま、まあ。そうなりますね??」
今度こそ電話の向こうから本当に声が途絶える。
(あっ?切れた……?)
スマホの表示を自分の目で確認したが、まだ電話はつながったままだ。
なので、もう一度耳に近づける。
すると、あんなに聞きやすかった相手の声が、鼓膜が破れるような大音量になっていた。
「いや、そんなの少なすぎますよ!!イベントは、たくさんいてこそ!!みたいなところあるじゃないですか!!」
(こ、これは……バーベキューマニアか何かかな?)
その声が鳴るたび、身体は防衛するみたいに、自然とスマホから遠ざかる。
「で、でも……二人でもね。十分楽しく」
「甘い!甘いですよ!小濱さん!良いですか?こちらで人は集めておきますから。本当、バーベキューに対する心得が足りないというか…… 」
そうして、何やらぶつぶつと言いながら、その声はフェードアウトしていった。
なんだか嵐が過ぎ去ったような静けさの中に、一人ポツンと残される。
(この感覚どこかで味わったことが……ああ、宇佐見さんだ……おお。さっすが、秘蔵っ子……)
「すみません。あのー、湊のオフ日を教えていただたくて……」
「あっ、湊くんのオフですね!わっかりました!確認次第、すぐに折り返します!」
「はい!よろしくお願いします」
(………ん?あれ?)
根元マネージャーは毎日秒単位で動いてくれている。いつもならこのまますぐに通話が終了するはずだ。
なのに、また声が聞こえてきた。
「……でも、急にどうかされました??」
「えっ?あっ、いやあ……実は、バーベキューをしようという話になりまして……」
「柳生さんのお宅で、ですか?」
「はい。まだ柳生さんのスケジュールは分からないんですけど……テラスは貸していただけるそうなので……」
「じゃあ最悪は、お二人で?」
「ま、まあ。そうなりますね??」
今度こそ電話の向こうから本当に声が途絶える。
(あっ?切れた……?)
スマホの表示を自分の目で確認したが、まだ電話はつながったままだ。
なので、もう一度耳に近づける。
すると、あんなに聞きやすかった相手の声が、鼓膜が破れるような大音量になっていた。
「いや、そんなの少なすぎますよ!!イベントは、たくさんいてこそ!!みたいなところあるじゃないですか!!」
(こ、これは……バーベキューマニアか何かかな?)
その声が鳴るたび、身体は防衛するみたいに、自然とスマホから遠ざかる。
「で、でも……二人でもね。十分楽しく」
「甘い!甘いですよ!小濱さん!良いですか?こちらで人は集めておきますから。本当、バーベキューに対する心得が足りないというか…… 」
そうして、何やらぶつぶつと言いながら、その声はフェードアウトしていった。
なんだか嵐が過ぎ去ったような静けさの中に、一人ポツンと残される。
(この感覚どこかで味わったことが……ああ、宇佐見さんだ……おお。さっすが、秘蔵っ子……)