結婚当日に夫が愛人を紹介してきたから、ヤケで愛人募集したら王弟殿下が志願してきた件。

2.

 卒業式が終わり、パーティーのための準備の時間として休憩時間が入る。パーティーそのものが始まるのは日が沈みかけ、空に橙色から青紫へのグラデーションを作る時間。
 学園の大広間は華やかなパーティー会場へと姿を変えていた。軽やかな音楽を奏でるのは王立楽団の人たちで、学園の卒業生もいる。
 卒業パーティーは在校生、特に今の生徒会が中心となって準備してくれたもので、司会進行も彼らが行う。
 一年前は送り出す側にいたのに、とうとう送られる側になってしまった。
「ほら、エマ。堂々としなさい」
 びくびくと背中を丸めて歩こうとするエマにぴしゃりと渇を入れる。
「だって……」
「だってもへったくれもないと言ったでしょう? あなたの衣装はこの私が選んだの。似合わないはずがないの!」
 着慣れないドレスをまとうエマを連れ、私も会場に入る。
「ほら、あそこにあなたのお友達がいるわ。彼女たちだって、きちんと身なりを整えているでしょう?」
 会場の片隅で見つけたのはおどおどとしている級友たちの塊だ。
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