『待つ女』をやめたら、『追われる女』になりました【短編】
シャルロッテ侯爵令嬢は、今日も婚約者のエドゥアルト王太子を待っている。
ここは、貴族たちの通う王立学園の、中庭の噴水前。
彼女は放課後、いつも彼を待っていた。
まっすぐに立ち、端正な顔を上げ正面を見て微動だにしない凛とした姿は、生徒たちのあいだで『生きた彫刻』と囁かれるくらい神々しいものがあった。
彼女は待ち続ける。何分も、何十分も、何時間も。
約束の時間が過ぎても、愛しい婚約者を。
「侯爵令嬢。王太子殿下は、本日はご学友方と王都へ視察へ出かけるそうです」
時計の針は約束の時間をとうに過ぎて空がオレンジ色に染まりかけた頃、王太子の護衛がやって来て抑揚のない声で告げた。
「そうですか。では、わたくしは先に王城へ向かいますと殿下にお伝えくださいませ」
シャルロッテはやっと身体を動かして、侯爵家の馬車へと向かった。
ここは、貴族たちの通う王立学園の、中庭の噴水前。
彼女は放課後、いつも彼を待っていた。
まっすぐに立ち、端正な顔を上げ正面を見て微動だにしない凛とした姿は、生徒たちのあいだで『生きた彫刻』と囁かれるくらい神々しいものがあった。
彼女は待ち続ける。何分も、何十分も、何時間も。
約束の時間が過ぎても、愛しい婚約者を。
「侯爵令嬢。王太子殿下は、本日はご学友方と王都へ視察へ出かけるそうです」
時計の針は約束の時間をとうに過ぎて空がオレンジ色に染まりかけた頃、王太子の護衛がやって来て抑揚のない声で告げた。
「そうですか。では、わたくしは先に王城へ向かいますと殿下にお伝えくださいませ」
シャルロッテはやっと身体を動かして、侯爵家の馬車へと向かった。
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