悪女ロベリアの矜持 ~欲にまみれた王族の皆様。〝ただの側室〟に翻弄される気分はいかがですか?~

▽ロベリア・ガーランド:現在①

 ▽ロベリア・ガーランド:現在①


 「それで、これが君の望んだ結果か?」

 ルキウスが尋問口調で私に問う。

 「……そんなわけないでしょう」

 大男の鋭い眼光に、怯むことなくフンと鼻を鳴らして答える。
 足を組むと、陛下を惑わすために入念に手入れした細く美しい脚がさらされて、宰相の後ろに控えていた兵士が慌てて目を逸らした。

 「まったく。何もかも思い通りにならなくて腹が立つったら」

 憤然と言い返す。
 部屋は荒れ放題で、つい数時間前まで保たれていた秩序は崩壊していた。

 壊れた燭台に血まみれの絨毯。割れたグラスと破れたソファ。
 荒れ放題の部屋を見てもなんの感慨も湧かない。

 自分を偽って生きたおかげで、何ヶ月もこの部屋で暮らしたというのに、何一つ愛着を持てなかった。
 高価なドレスやアクセサリーに溢れたこの部屋は、どうしても他人のものとしか思えないのだ。

 「ふ。確かにこれは私でも予想できなかった」

 彼は私の無礼な態度に、怒ることもせず表情を崩して笑った。一気に親しみやすい雰囲気になる。

 「愚か者を相手にする苦労が分かっただろう」
 「おっしゃるとおり。どうしてあの人たちは人の話を聞かないのかしら」

 クシャクシャと、長い髪をかき乱しながら言う。
 念入りに手入れをしてきたせいか、多少乱暴に扱っても艶やかな髪は絡まることなくするりとほどけていった。
< 183 / 206 >

この作品をシェア

pagetop