悪女ロベリアの矜持 ~欲にまみれた王族の皆様。〝ただの側室〟に翻弄される気分はいかがですか?~

▽ロベリア・ガーランド:現在②

▽ロベリア・ガーランド:現在②


 その後、イレーヌは無事確保されたと聞いた。
 後宮の最上階から飛び降りようとしていたらしい。
 錯乱状態で私への罵倒を繰り返し、取り押さえようとした兵士の顔に唾を吐きかけ、殴りかかり、とにかく大暴れだったという。

 「もう大変だったんだから」

 上級も下級も関係なくなった談話室の中、ヴェロニカが胸を反らせて得意げに語る。

 イレーヌが奇声をあげながら走り回ったせいで、捕獲時には野次馬が多数集まったらしい。
 ヴェロニカもその一人だ。

 「あなたって本当に性格悪いわよね」
 「ふん。可愛いから問題ないわ」

 私の批判にもヴェロニカは動じることなく、勝ち誇ったように笑う。

 確かにヴェロニカは可愛い。
 イレーヌにつけられた傷跡はまだうっすらと残っているが、それを補って余りあるほどに。

 「ロベリアだって顔はいいんだから、もっと上手く立ち回ればよかったのに」
 「ロエル殿下ごときに遊ばれたあんたに言われたくない」
 「はぁ? 手玉に取ったと言ってくれる?」

 憎まれ口を叩き合う私たちに、その場に一緒にいた女官たちがクスクスと笑いをこぼす。
 注目を浴びるのは恥ずかしかったけど、そこに悪意はない。

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