甘すぎる溺愛は、美しい花の隣で。

焦る気持ちで、近づけば。

結婚式場での打ち合わせを終えてから、数日が経った頃。

店の開店準備を始めるより前、私は店の奥にある椅子に腰掛けながら、頭の中ではその日の予定を組み立てていた。

野々花の結婚式まであと一ヶ月。

それまでの間にメインテーブルとブーケのイメージを固め、花の仕入れの準備して、当日の流れを決めなければいけない。

花を(おろ)してくれる花卉市場(かきしじょう)への予約も二週間前には済ませたいので、それまでにはイメージを固めなければ。

しかし、(さいわ)いバラもスズランも季節外れの花ではないので、仕入れられないことはないだろう。

「まずはバラの色を決めないと……」

メインであるバラの色を決めて、そこからイメージを広げていくのが一番だろう。

店を開いている時間に決めている時間はないので、今日の店を閉めたあとに作業を進めよう。

そんなことを考えているうちに、従業員用の出入り口が開く。
< 47 / 90 >

この作品をシェア

pagetop