愛なき契約結婚のはずが、クールな御曹司の激しい独占愛に堕とされる
降って湧いた契約結婚
身の回りの状況はとくに変わらないまま、一週間が経った。
会社では相変わらず淡々と仕事をし、時々要領のいい同僚からなにか頼まれて残業をしたりする、平穏な毎日。
会社説明会の資料も無事に完成し、求人サイトや会社の公式ホームページで、説明会の日時や参加募集の告知を始めたところだ。
そんなある日、私は昼休みにひとりで社食に出向いた。
なにげなくチーズハンバーグ定食を頼んだところ、普段ならごく普通の小判型に成型してあるハンバーグが、ハート形で皿の上に載っていた。
そういえば、もうすぐバレンタインだっけ……。
毎年チョコレートを渡す相手は父しかいないが、せっかくだから帰りにどこかへ寄って、ちょっぴり高級なチョコでも買いたいな。
でも、前に電話していた相手の人からもらうなら、私からのチョコはいらないかな……。
窓際の席に着き、ふわふわのハンバーグを箸で切り分けながら真剣に悩んでいたその時。
「仲真さん」
聞き覚えのある男性の声がして、顔を上げる。テーブルのそばに佇んでいたのは、氷室社長の秘書、新町さんだった。
顔見知りとはいえ、意外な人から声をかけられたのできょとんとする。