10年越しの溺愛——御曹司は私を逃さない
第4話:溺愛レベルに、抗えない
社長の家に住み始めて、まだたったの2日目。
なのに、もうずいぶん長い時間が経ったような気がするのは、きっと気のせいじゃない。
今日は、昨日言われていた通り、私のアパートに荷物を取りに行く日だ。
「今日は、社長が運転するんですか?」
「なんだよ。不満か?」
「いや、そうじゃなくてですね……」
マンションの駐車場には、当たり前みたいに高級車ばかりが並んでいて、その中でも社長の車はひときわ目を引いていた。
そんな中、何の迷いもなく運転席に乗り込む社長に、慌てて私も助手席に滑り込んだ。
不満なんて、あるわけない。むしろ逆だ。
……運転している姿が、なんというか。認めたくはないけれど。
ハンドルに手をかける横顔、真剣な視線、その全部がやけに絵になっていて、視線を逸らすのに必死になる。
なんなのこの人、本当に。悔しいくらい、何しても様になる。
ドキドキを誤魔化すように、そっと深呼吸をした。