虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
7・小物を返り討ちにして
「なんてこと……」
リドディエに抱き上げられたまま現場にやってきたエクリーユは、惨状を前にして絶句する。
天高くそびえ立っていたシンボルツリーが、広場と居住区を寸断するように倒れ伏しているのだ。
婚約者を抱きかかえたまま歩みを止めたリドディエは、周りの騎士たちに声をかけた。
「怪我人は」
「倒木まで時間がありましたので、今のところ被害の報告は受けておりません!」
「地面が抉れたくらいか……」
「それが……。1つ、問題がございまして……」
「なんだ」
「こちらをご覧ください」
陛下に報告をした騎士は、腰元の鞘から剣を引き抜く。
その後、それを勢いよく倒れ伏した幹に振りかぶる。
しかし――カツン、と甲高い音とともに刃が真っ二つに折れ、くるくると宙を飛び回る。
(あれがもし、人に当たったら……!)
危機を悟ったエクリーユは、右手を恐ろしい速さで回転する鈍色の凶器に向かって伸ばす。
その後、強く念じた。
(灰になりなさい)
少女の命により、細い指先から紅蓮の炎が渦を巻く。それらは落下してくる破片を包み込んだあと、燃えて灰となる。
リドディエに抱き上げられたまま現場にやってきたエクリーユは、惨状を前にして絶句する。
天高くそびえ立っていたシンボルツリーが、広場と居住区を寸断するように倒れ伏しているのだ。
婚約者を抱きかかえたまま歩みを止めたリドディエは、周りの騎士たちに声をかけた。
「怪我人は」
「倒木まで時間がありましたので、今のところ被害の報告は受けておりません!」
「地面が抉れたくらいか……」
「それが……。1つ、問題がございまして……」
「なんだ」
「こちらをご覧ください」
陛下に報告をした騎士は、腰元の鞘から剣を引き抜く。
その後、それを勢いよく倒れ伏した幹に振りかぶる。
しかし――カツン、と甲高い音とともに刃が真っ二つに折れ、くるくると宙を飛び回る。
(あれがもし、人に当たったら……!)
危機を悟ったエクリーユは、右手を恐ろしい速さで回転する鈍色の凶器に向かって伸ばす。
その後、強く念じた。
(灰になりなさい)
少女の命により、細い指先から紅蓮の炎が渦を巻く。それらは落下してくる破片を包み込んだあと、燃えて灰となる。