虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
4・悲しみに暮れて
 ――レべラゼム王国にやってきてから、1か月が経過した。

(そろそろ、いいわよね……?)

 エクリーユはこれまで、寝室で大人しく過ごしていた。
 だが、のんびりと暮らしている余裕など今の自分にはない。

(母国との手紙のやり取りは、どんなに早くとも一往復かかるわ……。そろそろ行動に移さないと、大事な時に陛下へ恩返しができなくなってしまうもの……)

 これもすべて、己の望みを叶えるためだ。
 一念発起した少女は、乳母にある提案をする。

「テラマ。今日は、動きやすい服装を用意してくださる?」

 彼女は自分がなぜそんな提案をしてくるのか、さっぱり理解できないようだ。
 エクリーユは再び口を開き、己の主張をはっきりと伝えた。

「走り込みがしたいの」

「ひ、姫様が、ですか!?」

「ええ。最近、体力づくりの一環で始めたのよ」

 第2王女が走り込みを始めたのは、1年前の出来事だ。
 妹が生まれてすぐに少女と別れた乳母が驚くのも、無理はなかった。
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