超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました

第6話 謎の人形事件①

約5時間後。
執事長の薦めでテラスで花々を見ながら紅茶を飲んでいるシャルロットの元に、テオドールがやって来た。

「テオドール様、もうお目覚めになってよろしいんですか」
「ああ」

テオドールはシャルロットの隣の椅子に腰かける。
メイドは素早くテオドールのティーセットを用意し、退出した。
ふと、テオドールの皿を見たシャルロットがぎょっとする。

(ケーキにタルトにクッキーが山盛りだわ!)

テオドールは無表情でチェリーチョコレートケーキを綺麗な所作で貪り始めた。
あっという間に食べ終え、ティーカップをぐいっと傾けて飲み干す。

「テオドール様、甘いものがお好きなんですか」
「好きと言うより、頭を使った後は無性に甘いものを食べたくなるんだ。糖分は脳の栄養なのかもしれん」
「……そういえば私も視た後は甘いものが欲しくなりますわ」
「そうか。君が言うと信憑性が上がるな」

テオドールはイチゴジャムが載ったクッキーを口に放り込む。

(テオドール様とこうしてティータイムを過ごしているなんて、なんだか不思議な感じだわ……)

シャルロットがぼんやりとテラスを眺めていると、楡の木の後ろから人影が見えた。
< 36 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop