本好きで恋愛苦手な私が推し小説家に溺愛されるまで
第四話 よかった
藍堂先生の書斎から出てドアを閉じた直後、ぐうぅ~とお腹が鳴った。
「私も夕飯食べよ」
藍堂先生にはおにぎりにしたけれど、自分の分はめんどくさいので、白いご飯で。
食器棚からご飯茶碗を取り出して多めに盛る。
中途半端に残った豚肉の生姜焼き、鮭ハラス、だし巻き卵を大きな皿に移した後、味噌汁をお椀によそった。
「うんうん、我ながら美味しくできてる」
私の料理の腕は平均的なんだけれど、材料の質が高いお陰でいつもより美味しい。
「ご馳走様でした」
小さな声で言ってから私は食器をまとめてシンクに持っていった。皿洗いを始めたところで、藍堂先生の食器はいつ下げたらいいのか聞くのを忘れていたことを思い出す。
(いつ食べ終わるかわからないから、回収は明日の朝食の時でいっか)
鍋やフライパンも洗って、明日の朝食の下拵えも終えて、キッチンの片付けが全て済ませた私は、個室に行くことにした。
布団乾燥機でふかふかになった布団の上にごろりと横になりたい気持ちを押さえて、浴室に向かう。
(今日はシャワーで済ませる……)