本好きで恋愛苦手な私が推し小説家に溺愛されるまで

第十四話 幸せ、だけど

「鷹司さん見て、日の光の下だとさらに綺麗……」

 ジュエリーショップから出た私は、自分の薬指の指輪を鷹司さんに向ける。

「ああ、君によく似合う」

 鷹司さんは感慨深げに目を細めた。

 今日は鷹司さんに「婚約指輪を作ろう」と言われて一緒にジュエリーショップに来たのだが、私がこの指輪に一目惚れをしてたので、婚約指輪を注文せずこれを買ってもらったのだ。

 レース編みのように繊細なリングに、深く澄んだ蒼い色の宝石ーーサファイアが一粒ついた美しい指輪。

 鷹司さんは「ダイヤのついた婚約指輪も買おう」と言ってくれたのだけれど、この指輪だってサファイアなので相当高価。
 さらに結婚指輪も買うのだから、ダイヤの婚約指輪はさすがに遠慮した。
 そんな私に鷹司さんは納得できない様子だったけれど、私が「"藍堂鷹司"の小説にハマってから、藍色とか好きになっちゃったんだよね」と何気なく呟いたことが決め手となったらしく、引いてくれた。

「……二人でゆっくり出かけられて幸せだな」

 鷹司さんが私の手を繋いで、感慨深げに呟いた。
 宮本優衣華に怯えなくて済むようになり、こうして鷹司さんと伸び伸びと外出できるのがうれしくてたまらない。
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