余所者-よそもの-
30話:忠告
「お邪魔します……」
うわ、と口から零しそうになるのをギリギリで止めた。
ユキのマンションにつけば、そこは相変わらずのごみ屋敷。
ユキはスタスタとリビングまで行くと、ソファの上にパタン、と倒れた。
はあ、と深くため息までついて、よほどお疲れの様子。
「先、風呂どうぞ」
私は謝罪とお礼と一言ずつ伝えて、お言葉に甘えて先にシャワーを借りることにした。
できるだけ早く上がろう。
疲れたユキの様子を思い返しながら、急いでシャワーを済ませた。
その辺に転がっていた大きめのシャツと、ハーフパンツを身に着けてリビングに戻れば、ユキはさっきの形のまま、……眠ってる?
「………」
回り込んで顔を見てみると、やっぱり眠ってる。
羽みたいに長く、色素の薄いまつ毛がキレイ。
毛穴なんて見当たらないし、形のいい唇がスウスウ言ってる。
……可愛い。
だけどどうしよう。
起こす?
こんなに気持ちよく眠ってるのに?
でもきっとシャワーでスッキリしてからベッドで眠ったほうがいい。
でも……
「………」
うん、やっぱり起こす勇気はない。
私は寝室から布団をもってきて、そっとユキの身体の上に掛けた。
ユキがソファで寝てしまった。
そうなると、自分の寝る場所がない。
仕方がないので、無遠慮にベッドを借りることにした。
布団はユキが使っているので無し。
それで勘弁してほしい。
ブランケットや代わりになりそうなものは見当たらなかったので、大判のバスタオルをかけて眠りについた。