君の隣は、呼吸ができる
第6話 私の知らない真樹
会社に着いてからも、戸惑う気持ちが収まらない。
あの別れ方で良かったのだろうか。
真樹の表情を思い出すと、胸がぎゅっと苦しくなる。
もっと、彼の話を聞くべきだったのかもしれない。
真樹にメッセージを送ろうとスマホを取り出す。
『傷は大丈夫?』
そう打ち込んで、やっぱり消す。
そして、文章に悩んでしまう。
腕のひっかき傷よりも、もっと聞きたいことがあるのに。
なんで自然に聞けないのだろう。
スマホ画面の前で指が止まっていると、いつも一緒にフットサルの試合を観に行く友だちからメッセージが届く。
真樹も入っているグループメッセージだった。
画面に表示された内容に驚いて、何度も読み返す。
報告をくれたその彼女と、真樹と同じフットサルチームの友だちが、付き合うことになったらしい。
しかも、秋には他県で一緒に住むという、幸せいっぱいの報告だった。
今思えば、話し出す瞬間や笑うタイミングなど、二人はよく似ていた気がする。
今度は彼の方から画像が送られてくる。
並んでいる姿が自然で、とてもお似合いで微笑ましい。
思わず、『読んだ!?』と真樹に興奮気味なメッセージを送っていた。
返ってきたのは『前から気付いてた』という短い言葉。
さらに、『俺、今度の試合は出ないから』と書いてあった。
「……え」
その素っ気なさが、私の心を、しんと冷やした。
私だけが、友だちの関係に気付いていなかったんだ。
身近な人たちが、次々に実家を出て、遠くに行ってしまう。
おめでとうという気持ちはすごくある。尊敬すらする。
なのに。
胸の奥のざわめきがうるさくて、どうしても落ち着かなかった。
あの別れ方で良かったのだろうか。
真樹の表情を思い出すと、胸がぎゅっと苦しくなる。
もっと、彼の話を聞くべきだったのかもしれない。
真樹にメッセージを送ろうとスマホを取り出す。
『傷は大丈夫?』
そう打ち込んで、やっぱり消す。
そして、文章に悩んでしまう。
腕のひっかき傷よりも、もっと聞きたいことがあるのに。
なんで自然に聞けないのだろう。
スマホ画面の前で指が止まっていると、いつも一緒にフットサルの試合を観に行く友だちからメッセージが届く。
真樹も入っているグループメッセージだった。
画面に表示された内容に驚いて、何度も読み返す。
報告をくれたその彼女と、真樹と同じフットサルチームの友だちが、付き合うことになったらしい。
しかも、秋には他県で一緒に住むという、幸せいっぱいの報告だった。
今思えば、話し出す瞬間や笑うタイミングなど、二人はよく似ていた気がする。
今度は彼の方から画像が送られてくる。
並んでいる姿が自然で、とてもお似合いで微笑ましい。
思わず、『読んだ!?』と真樹に興奮気味なメッセージを送っていた。
返ってきたのは『前から気付いてた』という短い言葉。
さらに、『俺、今度の試合は出ないから』と書いてあった。
「……え」
その素っ気なさが、私の心を、しんと冷やした。
私だけが、友だちの関係に気付いていなかったんだ。
身近な人たちが、次々に実家を出て、遠くに行ってしまう。
おめでとうという気持ちはすごくある。尊敬すらする。
なのに。
胸の奥のざわめきがうるさくて、どうしても落ち着かなかった。