札束でビンタから始まる怪力令嬢の勘違い契約結婚~お飾りの妻は最高です~

四章 近づく距離


あれから二週間が経とうとしていた。
公爵家の生活にも少しだけ慣れてきて、多少の不満はあるけれど大きな問題はない。
今は勉強の楽しさや食事の豪華さに夢中だった。

(信じられない……自分で用意しなくても、三食のご飯とおやつが出てくるなんて……震えるわ)

毎食、毎食、最高に幸せすぎて涙が溢れ出てくる。
そのたびにエリーに『もしかして毒が!?』と、心配してくれるので申し訳なくなってしまう。
おいしいご飯を食べられるというだけで、今でもまだ夢を見ているようだ。

ジョセフィーヌはアイナスに会えない日があると、恋しいのか夕方付近になると切ない鳴き声が響く。
彼女が手に負えないときは、午前中にオリヴィアがジョセフィーヌの世話をしていた。

それに朝から晩まで動き続けていた身では、今の環境ではとにかく暇で暇で仕方ない。
大体、午後に講師たちがやってくるため時間を持て余していた。

(馬の世話に屋敷の掃除、狩りや下処理、食事の準備も必要ないなんて……)
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