PRIMUS ―推しの家に家事代行として通ったら、毎日が幸せすぎます!―

41.一人じゃない

雪くんは視線を落としたまま、小さく口を開いた。
「……少し、話してもいい?」
「もちろん」
私は雪くんへ小さく微笑む。
「満足するまで付き合うよ」
「……ただ、眠くなったら寝ようね」
雪くんは力なく笑うと、静かに頷いた。
「……うん」
しばらく俯いたまま、雪くんはぽつりと口を開く。
「ひなたは、ファンを裏切るようなことはしてないよ」
「知ってる」
「まだ……僕のスキャンダルならよかったのに」
言葉を言い切ると同時に、雪くんは唇をきゅっと噛んだ。
堪えていた涙が頬を伝う。
一度溢れた涙は、もう止められなかった。
「雪くん?」
私は雪くんへ、そっとティッシュを差し出した。雪くんはティッシュを一枚受け取ると、目頭を押さえる。
「実際、僕には好きな人がいるから……」
少し苦く笑ってから、言葉を続けた。
「スキャンダルを撮られたとしても、自業自得って割り切れるけど……」
雪くん……好きな人がいたんだ。
「ひなたは、そういうのに興味すらないのに……おかしいよね」
なんて言葉を掛ければいいのか分からない。
黙ったままでいると、雪くんは再び口を開いた。
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