王女エメリーネに悪女は似合わない~軍人公爵の盲愛に囚われて
24.
 ほっと緊張の糸が解け、エメリーネはからからに渇いた喉を潤してからオディロンに告げる。
「天気が悪くないかぎり、わたくしは毎日、聖堂へ祈りを捧げに行きます。それから、できるだけお父様にも聖堂へ足を運んでいただけるよう、働きかけるつもりです」
「……そうだな。陛下には積極的に外に出てもらったほうがいいだろう」
 言いながらも、エメリーネから視線を逸らすオディロンに疑惑を抱く。
「オディロン? 何かおっしゃりたいことがあるのではなくて?」
「いや……君の誕生日パーティーで久しぶりに陛下とお会いしたが……一気に老け込んだような気がした」
 すでにアルマスの魔の手が、父王にも伸びていると彼は指摘しているのだろうか。だがアルマスが確実に国王を狙っているのは事実だし、前の人生ではベルトルトがそれを指摘した。
「しかも俺だって、毎日、朝議で陛下と顔を合わせていた。俺がリマンドの街に行っている間に、一気に老けたような気がしたんだ。つまり、この数か月の間……」
「知っての通り、お父様はお母様が亡くなってから気落ちしているのです。ただ、ここ最近は特に酷く、寝込むことが多いのです……それでもわたくしの誕生日パーティーはしっかり振る舞っておりました」
< 155 / 226 >

この作品をシェア

pagetop