経営企画部の彼が半年間、彼女に連絡できなかった理由│Quiet Strength×Soft Strength2

スパの誘惑

 更衣室から出ると司は先に出てきていた。

「お待たせしました」

 と、言うと小さく首を振ってくれる。そのまま二人で館内の案内を見てみた。ええーと…?

 低温サウナ、ミストサウナ、アロマサウナ、低温のスチームサウナ、遠赤外線サウナ(低温)、岩盤浴(各種)、メディテーションルーム、屋内足湯、屋外足湯、リクライニングラウンジにティーラウンジ、ラウンジ、暗闇リラクゼーションルーム…。まだある。

 それを見てから顔を見合わせた。

「沢山あって何が何だか分からないね。司君、分かる?」

「俺も分かんない。んー…でも、岩盤浴は寝っ転がれるって書いてあったな。屋外の足湯は景色が良いって。でも暑いかなぁ? あと、メディテーションルームは整うらしい」

 少しは調べて頭に入っている司は覚えているまま口にした。全く分からない綾音は首を傾げる。

「整うの?」

「整うの」

「何が?」

「分かんない」

 そう言った司は、ぶんぶん首を振ってこんなことを言う。

「分かんないけど今日は止めよう。もうこれ以上整えなくてもいいや。ぐでーっとできるところが良い」

 何を言っているのか綾音にはちんぷんかんぷんだったけれど、とにかくぐでーっとしたいことだけは分かった。

「じゃあ、岩盤浴に行ってみようか」

 横になれるならぐでーっとできるだろう。

「うん」

 そして二人は岩盤浴で、ぐでーっとした。
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