経営企画部の彼が半年間、彼女に連絡できなかった理由│Quiet Strength×Soft Strength2

音を立てて崩れていく

 とても軽く繊細で、広く高く綺麗に積み上げられた小さなもの。それが、ばらばらばら、と、音を立てて崩れていく様はどれだけ気持ちが良いだろう。

 でも、どうやれば綺麗に崩せるのか分からない。力加減ややり方を誤ったら中途半端に崩れてしまうのに、司は平気な顔でそれに触れる。どうしてそんな事ができるんだろう。それは司の意志が届くところには無い筈なのに。

「あ……あ…ん、んん……」

 触れて欲しかった場所に司が触れて、体は堪えきれずに酷く震えた。でも、まだ崩れない。ゆらゆらとした振動にも、不思議とそれは耐える。しなって崩れないそれは、崩れてしまうと思っていた自分に知らなかった感覚を教えてくれた。

「あ…あ、や……司君、ま、待って…」

 何処がずれていつ崩れてしまうのか、ずっと恐怖感を与えられるような感覚に思わず呟いた。

「大丈夫」

 このまま委ねて。と、言わんばかりに何も聞き入れて貰えずに手を引かれた。抱き締められて口を塞がれてまた体が揺れる。怖いのに癖になる。しがみ付いて触れた司の肌の感触にも体が疼いた。

 もう、いっそ早く全部崩して欲しい。とも思った。怖い怖いと思いながら見ているのは心臓に悪い。でも、どこかでそれを楽しんでいる自分もいる。これが人間に備えられた怖いもの見たさなんだろうか。見ていられないのに目が離せない。どきどきする。
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