経営企画部の彼が半年間、彼女に連絡できなかった理由│Quiet Strength×Soft Strength2

全く頭が働かない

 そして二人で部屋に来たものの、全く頭が働かない。どうしようかな。ええと。

 そう思いながらドアを開けて気付いた。やばい。部屋、滅茶苦茶だ。でも、外で待たせるのは…駄目。それは駄目だ。

「あのさ。本当にごめん。部屋、散らかってて」

 自分で呼んでおいて何をやっているんだと思ったけれど帰す気は微塵もない。そのまま部屋に入れたら、少し見回した綾音は肩を落として呟いた。

「大変だったんだね。司君…」

 調べ物をしたままの本や参考書。引っ張り出したアナリストのテキスト。思い付いたことや構造図の殴り書き。改めてみると悪筆が酷い。もうぐちゃぐちゃだ。今朝家を出るまでは、こんなにひどい状態と気付かなかった。

「すぐ片付ける。ちょっと待ってて」

「司君が構わないなら手伝うよ」

 慌ててそう言ったら綾音は本を持ち上げて笑った。



 散らかっていたものは紙類ばかりだったので、後で整理すればいいやととりあえず端っこに全部積み上げた。ええと。次は。何だっけ。

「あ、何か飲む? っていうか、夕食は? 食べた? お腹空いてる?」

 思い付くまま口にしながら考えた。もう一度外に行くか? でももう面倒だな。何か取るとか? そう思いながら言ったら、綾音はまじまじと司の顔を見た。そして困った様に呟く。

「司君は? ご飯食べた? 食べてないよね?」

「俺は別にどっちでも…綾ちゃんは?」

 そう答えたら、綾音はまた困った様に黙る。あれ? と、思いながら見ていたら、綾音は首を傾げて呟く。

「司君。ご飯食べたい? お話したい? 眠い?」

「え?」

 そう言われても何が何だか分からない。とりあえず綾音が側にいてくれればそれでいい。うーん。と、眉間に指を当てて考えたら綾音は珍しく自己主張をしてきた。

「司君。あたし、司君のお話聞きたいな。駄目?」

「そ、そう?」

 と、その言葉に呟いた。そうだよな。ずっと放ったらかしにした理由、説明しないとな。…説明…で、許してくれるかな。怒ってはなさそうだけど呆れさせたかも。

 とにかく話をしよう。と、司も頷いた。
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