さようなら、お別れしましょう
25 わたくしのお茶会へようこそ ※メリア
――わたくしが一番、王に愛されている妃よ! 裏切ったら、誰であろうと許さないわ。
わたくしが招待した大勢の貴族令嬢たちは、ご機嫌取りに必死だった。
「メリア様はご結婚されてから、ますます美しくなられて、見惚れてしまいますわ」
「なんて素敵なんでしょう!」
「陛下に愛されて、幸せでしょうね」
わたくしは令嬢たちと共に、お茶会が開かれる庭園へ向かう。
着飾ったわたくしと令嬢たちの姿は、王宮内を華やかにした。
――レフィカ様にこれができまして?
わたくしは優雅に回廊を歩き、口もとに扇子をあて、笑みを隠す。
「それで、レフィカ様はどうなさったの?」
「今日のお茶会にご出席されますの?」
レフィカ様がどうなったか、気になってしかたないらしい。
扇子で顔を隠し、わたくしは涙声で令嬢たちに言った――もちろん、これは演技だ。
「わたくしが陛下の愛情を独り占めしてしまったでしょう? レフィカ様は耐えきれず王宮から出ていかれて、お可哀想でなりません」
「まあっ! メリア様はなんてお優しいの!」
すでに令嬢たちはわたくしの味方――誰一人として、レフィカ様をかばうことはない。
「陛下が他国から妻に迎えると聞いたときは、わたくしたち、ともに泣きましたものね」
「ドーヴハルク王宮は、グランツエルデ王宮を真似てるそうよ。着るものをわたくしたちと同じにしても、同じにはなりませんわ」
ドーヴハルク王国から嫁いできたというだけでも、令嬢たちは気に入らない。
いくらレフィカ様が正妃という立場でも、令嬢たちから相手にされず、大恥をかくことになる。
イーザック様がその様子を見れば、どちらが正妃としてふさわしいと思うか――悲しげな演技を忘れ、つい、小さな笑い声が扇子の陰から漏れてしまった。
明るい陽光が回廊を照らし、天候までわたくしに味方している。
きっと庭園でのお茶会はきっとうまくいく。
そんな確信があった。
「レフィカ様に申し訳ないわ……」
泣きそうな顔をし、わたくしはレフィカ様に同情するそぶりを見せた。
「メリア様が悲しむことございませんわ!」
「王都のお屋敷で寂しく暮らすだなんて、わたくしなら耐えられませんわ」
ううっと扇子の陰で泣き真似をした。
「メリア様は本当にお優しい方ですこと」
「でも、メリア様。心配なさらなくても大丈夫ですわ」
「え……? 大丈夫……?」
わたくしは王宮にずっといて、噂を耳にすることができなかった。