雪山に捨てられた少女、伝説の元最強諜報員に拾われる。無自覚万能令嬢は『普通の生活』をお望みです!
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◇ ◇ ◇
エノレアが青嵐宮で働き始めて、そろそろ二カ月が経つ。
この日青嵐宮では、レニオスに各種報告が行われる月一回の定例会議が行われていた。エノレアとオリバーは議事録係として、会議の進行を見守る。
エドガーの進行に従い、文官たちは自分たちが担当している業務についてレニオスに進捗状況を報告していった。
「次に、各地域に建設予定の初等教育施設について、状況を報告してください」
「はい」
返事をしたのは、主に教育・子供政策を担う部署にいる中年の文官だった。
「先日、初等教育施設の建設について見積依頼を行いました。その結果が次のページにかかれているものです」
聞きながら、レニオスは資料を捲る。書かれていた金額は、これまで建設した初等教育施設の建設費より少し高い。一施設で見ればさほど大きな差ではないが、全部で十一の施設の建設を予定しているため全体で見ると無視できない額だ。
「前回に比べて値上がりしている理由は?」
「原材料費の高騰と聞いております」
レニオスに問いかけられた文官は、すらすらと答える。
(原材料費の高騰……。もう少し抑えたいところだが、あまり買い叩くと受注会社の利益が出なくなるか?)
悩んでいると、背後から「これ、おかしいですね」と声がした。
振り返ると、議事録を取っているエノレアだ。
「なんだ、お前は。この会議は新人議事録係が口を出していい場ではないぞ。身の程をわきまえろ!」
報告した文官が不機嫌そうに眉を寄せる。すると、エノレアはきょとんとした顔をした。
「え? そうなんですか? でも、冒頭でレニオス殿下が『皆、忌憚のない意見を聞かせてほしい』と仰っていました」
「ぶはっ」