格好良く、求婚の話が絶えないと噂の大国グレイリーの第二王子、ラナルフ。 どの求婚話も断っているという彼から、 求婚をしてもいないのに、どういうわけだか自然だけがとりえといえる小国ソウェイルの王女、リーシャに求婚の書簡が届く。 断るわけにもいかず、受けた求婚は、受けた本人どころか、求婚した本人ですら望んだものではなかった…！ どちらにも愛の無いこの二人 その歪な二人の婚約の向かう先は――

「別れて欲しいんだよね……」 唐突に男は言った。 私は思わず映画を見るのを止めて振り返る。 男は紛れも無く私の友人。 付き合ったという事実も無いのに、 何故だか別れ話が始まった。