プロフィール

猫好いぬ
【会員番号】1320661
実体験をもとにした保育士の短編小説を書いています。

本業は保育士。作品はフィクション。個人情報に繋がることはありません。

いいね、感想、レビューいただけると嬉しいです。もっと上手く書けるようになりたいので、厳しい意見でも構いません。

作品一覧

君が星を結ぶから

総文字数/55,966

恋愛(純愛)27ページ

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 星が降る夜、最悪な振られ方をした。  私の彼氏はギターの弾き語りがSNSで大バズりし、一躍有名になった完璧イケメン種高の流星。  私は先輩とあの夜、ファーストキスをした。心は、この夜空に舞い上がるくらい嬉しくてたまらなかった。  なのに先輩は…。  後日、種高の流星が浮気男だったという噂が広がる。  「私は親友として言ってんの。まだ流星先輩のこと好きでいるの?もうやめときな。遊ばれてるって!よく聞いて、結!世の中には良い恋愛と悪い恋愛がある。自分が相手を好きって気持ちだけじゃだめなの!最終的に自分がこの人といて幸せになれるかも、ちゃんと考えなきゃだめなの!恋愛ってね、心を幸福に彩る素敵なものでもあるけど、人生を転落させるリスクもあるものなの。流星先輩はちゃんと信じれる人なの?私は大切な親友に不幸になってほしくない」  親友の小手鞠子(こで まりこ)の正論が私の胸に刺さる。  最後に先輩がしてくれた、あのキスは偽りだったのだろうか。  私にはそうは思えない。ちゃんと、この目でたしかめたい。  振られたうえに、こんなことを考えてしまう私の頭にはお花畑が咲いているのだろうか。  それでも流星先輩を信じたい!  「じゃあ、やろうよ」  なにを?  「浮気調査!」  え、でも、それって流星先輩を疑うってことじゃん。私は信じたいんだけど。  「なにいい女ぶってんの!男にとって都合のいい女と、良い女ってのはちがうんだよ。都合がいいだけの女になっちゃだめ!それじゃ良い女にも幸せにもなれない!結は先輩を信じてるんでしょ。だからこそ、ちゃんと逃げずに自分の目で真実をたしかめようよ。恋愛がうまくいくコツは好きな人でも半分信じて半分疑うこと!」  先輩のことを信じているからまだ好きで。でも疑っているからこそ、こんなにも心が苦しくて。  正反対の感情が心の中でぐちゃぐちゃと渦巻く。  そして、鞠子の助言で始まった浮気調査。  飛び込んだ先は、近所の学童施設。  そこで先輩の思わせぶりに振り回されながらも見えてきた真実。  どこまでもイケメンで華やかで順風満帆だと、私が勝手に思っていた『種高の流星』はそんなことなかった。
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 「わたし今、がんのステージ4なんです」  個人懇談をやっていたとき、急に打ち明けた保護者のお母さんの一言に、場の空気が一瞬で凍りつく。  ちょっと保育園での子どもの様子を話して、ちょっと家庭状況を教えてもらうだけの、軽い気持ちで望んだ個人懇談だったのに。  そのときわたしは、そのお母さんになんて言葉をかけたらいいか、まったくわからなかった。  それは心配ですね…、ちがう。  きっと大丈夫ですよ…、ちがう。  困ったことになりましたね…、ちがう。  どれもどれもちがう。こんなとき、どんな言葉をかけたらいいかわからない。  絶体絶命な家族の危機だというのに。  いくら、その子の、その家族の、幸せを願っていても、笑顔にしたくても、こんなとき保育士は無力だ。  結局わたしは、「え…」と口からこぼれ落ちたきり言葉を詰まらせてしまい。  心から心配している眼差しを向け、うんうんと泣いて頷きながら、そのお母さんの話を聞くことしかできなかった。  ※この作品はわたしが保育士をしていて実際にあったことを、小説作品のキャラクターに当てはめて創作したものです。  ※この作品は前作である、『君は君のままでいい』と『君が星を結ぶから』の時系列では中間の話になっていますが、この作品単体でも楽しめるように作ってあります。
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 「あなたのような人が保育士でいてほしくない。やめたほうがいいんじゃない?」  幼い頃から保育士になりたいと、夢見ていたわたしにとって、保護者の方から発せられた、恐ろしく冷たく鋭いその言葉は、わたしの心を一直線に突き刺してえぐった。  頭をがつんと殴られたような衝撃が走って思考は一瞬で真っ白になる。  そして、わたしはただ言葉を失いうつむくことしかできない。  ※この作品は、わたしが保育士という職業を通して実際にあった体験を、小説作品のキャラクターに当てはめて創作したストーリーです。  保育士をしていると、社会の生きづらさに困っている人が、誰かから差し伸べられた心のあたたかさに救われる瞬間を何度も見る機会がありました。  そのたびに、わたしは保育士という仕事を通して、生きづらさを感じる人が多い令和の時代に、人が人らしく生きるってどういうことなのかを立ち返らせてもらっています。  しかし実際の保育士という仕事は、文句や批判はあれど、なかなか人から認められ、褒められ、報われることがあるわけではないし、責任が重いわりに給料が安い仕事です。  それでも、つづけている限りトラブルだらけで多忙な毎日が果てしなくつづいていきます。  不器用なわたしは、いつも迷い、選択をまちがえ、人からの冷たい言葉に心が傷つき、もう仕事をやめたいと思ったり、なんでこんなにがんばってるのかすら、わからなくなるときもありました。  それでも、わたしが今もなんとか人らしく生きて、この人生を自分らしく歩いて行こうと思えるのは、やっぱりこの保育士という仕事の中で得たものが糧になっているからなんです。  この作品では、その一部をみなさんに共有できればと思い作りました。  ※この作品は前作である、『君は君のままでいい』と『君が星を結ぶから』の時系列では中間の話になっていますが、この作品単体でも楽しめるように作ってあります。
君は君のままでいい

総文字数/69,997

恋愛(純愛)32ページ

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 私を名前で呼ばないで。  「なんでだよ、俺に名前で呼ばれたらムカつくから?」  私は自分の朝陽って名前がきらいなの、私には相応しくない名前だから。  「でも、お前は朝陽だよ」  なんで、やめてって言ってもわかんないの?    「綺麗だ」  うん。私、今まで朝日って好きじゃなかったんだけど今日のはなんか…。私にも綺麗に見えた。  「ちげえよ。俺はお前が綺麗だって言ってんだよ、朝陽」  「前に言ったよな、朝陽っていう自分の名前がきらいだって、みんなを照らすようにはなれないからだって、俺はそうは思わない。お前はこの空に輝く朝日のようにみんなを完璧に照らせるわけじゃない。だけど、ずっと俺はお前に照らされてた。お前は俺の太陽なんだよ、朝陽」  「これからも俺を照らす、俺の太陽になってくれないか、朝陽。だいすきだよ」    完璧な理想の自分になりたい朝陽。  強くありたい不良の月。  でも、理想と現実はうまくいかないふたり。   正反対だけど、どこか似ているふたり。  そんなふたりが保育士である犬塚悠(いぬづか ゆう)と出会って物語が進んでいきます。   ※この作品は『君と頑張る今日晴れる』の、時系列ではあとの話になっていますが、この作品単体でも楽しめるように作ってあります。

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