天使もえさんの作品一覧

夢嘘―壊れた私が、やっと愛されたはなし。

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恋愛(実話)12ページ

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誰にも言えなかったことがある。 泣きたかった夜も、 誰かに抱きしめて欲しかった朝も。 泣いても泣いても朝が来て、 眠れぬまま、まぶしい陽に目を細めた夜明けも。 私が見せていた笑顔の裏には、 誰にも見せられない“ほんとうの私”がいた。 本当は、ただ誰かに気づいてほしかった。 でも、気づかれたら壊れてしまいそうで。 「元気だよ。」 「大丈夫。」 「もう、とっくに忘れた。」 そんな言葉ばかり重ねて、 口にするたび、胸の奥がきゅっと痛んだ。 でも誰かに弱った心を見透かされたくなくて。 ただ、強くなりたくて。 強がることが、強さだと信じていた。 ひとりで立つことが、 大人になることだと思っていた。 でも本当は、弱さに寄りかかりたかった。 触れたら壊れそうな心を、 そっと包んでくれる人に、出逢いたかった。 これは恋に傷つき、恋に救われたひとりの女の子の 静かに、でも確かに光へと歩いていった物語。
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