相手の心を読み取ることが不可能な現実世界で、｢人｣を本当に好きになったことがないなれない少年は、ある日一人の少女に出会う。 ｢人｣を信じるとはなんなのか。｢人｣を好きになるとはなんなのか。 その答えを探しに少年は旅に出る。 旅途中辿り着いた地で少年はある探索隊と出会い――― ｢人｣を通じて本当の世界を探す探索隊の物語。

世界

ある快晴日、顔だけが取り柄ということにコンプレックスを持つ高校生･翔(ｼｮｳ)は入院中の母親の元に訪れる。 未だ目を覚まさない母親に嘆息しながら病院の広場に出るが、そこで一人の少女に出会う。 ｢翔(ｶｹﾙ)くん…！！｣ そう声をあげて抱き着いてくる彼女に翔は見覚えがない。 優柔不断の性格が災いとなり人違いを指摘できず、彼女･水戸玲奈と翔のおかしな関係が始まった。 玲奈の勘違いは記憶障害によるもので、翔は担当医師に治療の協力を求められる。 その手段に翔は躊躇するが、押しの強さに負けて引き受けることに…。 彼女の担当医師･涼原隆一が提案した作戦――― 「仮想恋人大作戦」 がついに決行される。