この世界には100万に1の確率で『死神』と呼ばれる生命が誕生する。 死神には能力に秀でたものが多く、国からは重宝されていたが、民の間では生まれ落ちると同時に命を奪われることも少なくなかった。 無意識に他人の命を食いとる力を持つ死神は、まず母体の命と引き替えに誕生する。 生まれ落ちたその瞬間、死神は母殺しという業を背負わされるのだ。 『一国の存続の有無がかかっている、即刻現地に向かい、事態を収拾してきてほしい』 自らが仕える大公様の命に従い、 伝染病の広まる彼の地へ今、4人の死神が足を踏み入れる。

「アークエン、貴女だけが本当の私を知っている…」 ☆★☆昔RPGツクールで作った話☆★☆ 2010/06/01　START 幼い頃、八枚羽根の【最高位魔族(ｽﾍﾟｸﾀｸﾙ)】に村を滅ぼされた少女『アークエン』は、瀕死のところを『イル』に救われる。 イルの強い魔力で死の淵から戻った彼女は、 憎い仇と同じ、紫の髪と瞳に変わってしまう。 『紫』が魔族の色とされる時代、彼女はその髪と瞳を隠すため神官が纏うヴェールを被り【八枚羽根】を探すために各国を渡り歩く。 その傍らに彼女を守るように寄り添うのは、さらさらとした短めの金の髪をアークエンと同様、つばの大きい帽子で隠した少女『イル』。 「…イル、本当は知りたくないの、でも―――…進まなきゃいけないのね？」