最愛の人の死。
そこから動きだせず、巡る季節を目の前に立ち竦んだままの主人公。
金木犀の香りが漂い始めた頃、現れた最愛の人と同じ名前の男の子――。


美しい言葉で紡がれた物語は、一度読んだだけではただただその極彩色な世界に圧倒されるばかり。
心地いい余韻とともに再読し、主人公の新たな一歩を感じました。
そして再々読し、秋色の景色に二人が並んで歩き出す様子がはっきりと浮かびました。
読み返すほどに、美しくなるお話です。

…運命、なんて便利な言葉を安易に使うのは嫌い。しかし信じたくなる。

作品の光くんと同じ気持ちです。
どうか、智恵子さんが真っ直ぐ歩いて行けますように。

冬の日に出会ったのは雪のように儚げな男の人、シロ。
出会った瞬間から運命を感じていた、それはときめきや一目惚れより、もっと深く曖昧なもの……。

＊＊＊

前半は不思議なシロにどんどん惹かれ、楽しげな３人の様子に自然と笑いながら読んでいました。
が、後半は何度も胸を締め付けられ、携帯の画面が見えない状態に…。

人は忘れながら生きる。
でもきっと、胸のどこかが覚えてる。
大切なものはどこかできっと生きている。
時空を越えて、形を変えて注がれるシロの想いに、胸がじわりと温かくなりました。

雪の日に、焚き火に手をかざしたような。切ないけれど温かい。
素敵なお話をありがとうございました。

子どもは親を選べない？

そうではなく、きちんと親子の糸で結ばれて生まれてくる。
親もそのことに感謝し、大切に育てていってほしい。
そして一人一人、ボンちゃんの障がいも、ユンちゃんの痕も、生まれ持ったものには理由がある。
やさしく教えてくれます。
自分が親になった時、きっとこのお話を思い出すだろうなぁ、と思いました。
あたたかなお話をありがとうございました。

外見も中身も自信０な円ちゃんが、ひょんなことから付き合いはじめたモテモテで超イケメンな奏。

どうして私と…？

ネガティブな性格が思いを巡らせながらも、シュワシュワと小さくはじける恋心。

なのに突然、奏から恋人交換宣言!!

真意は……!?


最後まで読んでスッキリです!!
作品自体がサイダーみたいで。
爽やかな気持ちになりました。

誰でも同じことで悩む。
人は人で何かを抱えてる。

つい、自分だけ…と思ってしまいがちですが、そんなことにも気づかせてもらいました。

素敵な作品です！
ぜひ、ご一読を。

好きだから。

気持ちのまま伝えるのではなく、相手を思いやり、きちんと伝える。

作品から頑張ることを教えてもらい、更に想い合うことも教えてもらいました。



野いちごで書いている身として、松本先生の激辛批評が胸を痛く(笑)、しかし納得したり笑ったりと、ニヤニヤしながら読み進めていました。

同時に菫ちゃんの妄想っぷりと積極的にネタ集めをする姿勢も可愛いなぁと思いました。
松本先生のテコ入れなしの菫ちゃんが書いた小説がちょっと読んでみたい…！(笑)

読み進めるうちに、先生からの教えを真っ直ぐに受け止め、頑張る菫ちゃんをもっと可愛く思うように。
あと、松本先生が本当に菫ちゃんのことを考えて導いていく姿！大人の男！

両親への挨拶も男前！
対するお父さんもかっこ良かった(笑)


とても素敵な作品です！
松本先生の毒舌にもめげず(笑)是非ご一読を。