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海月
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ネガイゴト
海月/著

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「神様、お願いします!」 人は一生のうちで、一体、何度神様に祈るのだろう?神様に祈ったからといって願い事が叶う保証なんてないことくらい、誰でも知っているはずなのに。それでも、時に人は反射的に神様を求めてしまう。ピンチの瞬間や絶望の淵に立たされた夜、わずかな可能性を神に托すのだ。 「神様!」と。 それはきっと、神様と一緒に過ごしたいつかの日々を魂が覚えているからなのかもしれない。 私は、今でも思い出すことができる。神様が一緒にいてくれた頃の、私を包む空気の温かさ。話し掛ければ、いつだってすぐに応えてくれる安心感。 ちょっと頼りない神様だったけれど、私はずっと、彼と一緒にいたかった・・・。 「神様」は、ある日、突然私の前に現れた。 「なんでも願い事を叶えてやる」 出逢ったとき、彼は私にそう言った。けれど、私の本当の願いごとは叶わぬまま、神様と一緒に花霞みの中に消えていった。

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