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雪待ちから始まり、雪解けで終わるまでの七つの詩。タイトルの度に現れるレイアウトの雪が、進むごとにひらひらと舞い落ちていき、最後の雪解けの際に溶けていたのには和んだ。
到着点がとてもいい。雪を待っている風景、歩いて行く風景、雪と戯れる風景、そしてそれらは最後に全て、雪解けの詩と共に昇華していく。それはまぎれもなく雪の華、雪花の詩だ。
雪という単語を多く交えて言葉は連なっていくけれど、詩自体には不思議な温熱を感じる。これは言葉の投げ方に寄る所が大きいのだろうか。非常に柔和なスローイングだ。その中に時折、鋭さのある文語的な日本語が混じったりして、たおやかな品も感じさせる。
空に浮かぶは雪模様。そこに重なる心模様。やはり、人の素直な温情や強さ、恋心が素直に描かれているからこそ、雪世界の詩だけれど、こんなにも不思議な温熱を感じるのだと思う。浸透してくる。
考え、悩み、動き、伝え、感謝し、笑う。それはまさしく温かい命そのものである。“生きて、いる”こと。最後のエピローグで語られるこの一語に続くまでの小説があった。やはり真剣に生き、悩み、思いを巡らしている身近な風景がそこにあるからこそ、こういったテーマがきちんと浮かび上がっている。“独りじゃない!”との結びが力強く聞こえた。 動物視点ではあるけれど、着眼点は人間のかけがえのないところの可能性で、心に浮かび上がるいくつもの健康な風景が、その度に胸を温かくさせてくれた。 登場人物のそれぞれに“心惹かれる純さ”があった。不器用なほどに正直でいて、思いやりが深い。 心が澄むこの懐かしい匂いを、胸一杯に吸い込んで、明日の心へと刻みたい。
考え、悩み、動き、伝え、感謝し、笑う。それはまさしく温かい命そのものである。“生きて、いる”こと。最後のエピローグで語られるこの一語に続くまでの小説があった。やはり真剣に生き、悩み、思いを巡らしている身近な風景がそこにあるからこそ、こういったテーマがきちんと浮かび上がっている。“独りじゃない!”との結びが力強く聞こえた。
動物視点ではあるけれど、着眼点は人間のかけがえのないところの可能性で、心に浮かび上がるいくつもの健康な風景が、その度に胸を温かくさせてくれた。
登場人物のそれぞれに“心惹かれる純さ”があった。不器用なほどに正直でいて、思いやりが深い。
心が澄むこの懐かしい匂いを、胸一杯に吸い込んで、明日の心へと刻みたい。
誰しもが少年、少女を経験する。あの時に果たして、私はどんな青春に物足りなさを感じ、どんな青春に思いを膨らませていただろうか?そんな事を冒頭で思った。 人の青春を感じると、自分が寂しくもなったりする時がある。ヒロインは何ら変わりない日常に、心の内で大きな青春を期待して、やがてそれは唐突にやってくるが、不気味で不可解で手に負えない程に悩ましくもあるものだった。しかしそれを心のどこかで激しく求めてもいる自分…。それは冷めた日常に起きた、青い発熱だった。 一人の少女を中心に、二人の男性が巡る。少女が非常に思い詰めて考える様な所も多々ある中で、最後まで、色々と感じた所は少女のそれそのままにと、みずみずしさも失わなかった。話の中にも活字が出せる緊迫感を感じた。 ごめんねの辛さは、いつかありがとうの充実にも変わる時が来る。ヒロインが最後に力強く放った一言に、深い感慨があった。
誰しもが少年、少女を経験する。あの時に果たして、私はどんな青春に物足りなさを感じ、どんな青春に思いを膨らませていただろうか?そんな事を冒頭で思った。
人の青春を感じると、自分が寂しくもなったりする時がある。ヒロインは何ら変わりない日常に、心の内で大きな青春を期待して、やがてそれは唐突にやってくるが、不気味で不可解で手に負えない程に悩ましくもあるものだった。しかしそれを心のどこかで激しく求めてもいる自分…。それは冷めた日常に起きた、青い発熱だった。
一人の少女を中心に、二人の男性が巡る。少女が非常に思い詰めて考える様な所も多々ある中で、最後まで、色々と感じた所は少女のそれそのままにと、みずみずしさも失わなかった。話の中にも活字が出せる緊迫感を感じた。
ごめんねの辛さは、いつかありがとうの充実にも変わる時が来る。ヒロインが最後に力強く放った一言に、深い感慨があった。
闇の中より溢れ出し、突き抜けてくる本音の文学。 “生の意味”これを安易に問うところを超越した境地に、この作品の世界は見事存在している。 一つの命を考えた。 またそこから、その意味を考えた。 すると主人公の本音が聞こえてくる。 すれば、その特質なる世界観の門が開く。 …相対的な命の意味を問うているのではない。 絶対的なる主人公だけの命の意味を問うているのだ。 “命”そのものは絶対に大切であるに違いない。 しかし“主人公だけの命”に焦点を当て、もっと大切に汲み取りたい。 一貫して文は脈を打ち、鼓動をしている。 また主人公の立場を、至言と形容して誇張では無い程、巧みな代名詞と描写で表しきったと思う。 事後の展開も非常に深かった。 “生きている意味”…ならばいつの日かそれを見つける事を、生きる意味としてやろうじゃないか。
闇の中より溢れ出し、突き抜けてくる本音の文学。
“生の意味”これを安易に問うところを超越した境地に、この作品の世界は見事存在している。
一つの命を考えた。
またそこから、その意味を考えた。
すると主人公の本音が聞こえてくる。
すれば、その特質なる世界観の門が開く。
…相対的な命の意味を問うているのではない。
絶対的なる主人公だけの命の意味を問うているのだ。
“命”そのものは絶対に大切であるに違いない。
しかし“主人公だけの命”に焦点を当て、もっと大切に汲み取りたい。
一貫して文は脈を打ち、鼓動をしている。
また主人公の立場を、至言と形容して誇張では無い程、巧みな代名詞と描写で表しきったと思う。
事後の展開も非常に深かった。
“生きている意味”…ならばいつの日かそれを見つける事を、生きる意味としてやろうじゃないか。
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