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けばけば
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携帯

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「はい、もしもし。」 「aさん!aさんの携帯よね。」 「はい・・・・・。」 「私よ!」「はぁ・・・・・」 男は頭の中で電話の声の主の顔を探した。「b・・・・・」と、男はつぶやき、電話の主に話しかけた。 「あぁ・・・・・b・・・・・元気だったかい。声が聞けて嬉しいよ。」「えぇ、元気よ。待ち合わせしない?駅前に13時。どう?遅めのランチでもして、近況報告でもしましょうよ。」「あぁ・・・・・じゃあまた。」 電話を切るやいなや、aは急いでベッドルームに向かい、何かを探し始めた。そして、ぐしゃぐしゃになった名刺をてにした。皺を伸ばし、その電話番号にかけた。 「はい、もしもし。」 「どういうことなんだ。」 「はい、どのようなご要件でしょう。」 「ふざけるな。」 「落ち着いて下さい。」 「これが、落ち着いていられるか。」 「どうか、なさいましたか。」 「死んだ・・・・・。死んだ妻から電話がかかってきたんだぞ。」 「そうですか。それは良かった。」 「頭がおかしくなりそうだ。」 「良かったではないですか。」 「なんだと!」 「名刺が手元にありますでしょうか。」 男はもう一度、名刺に目をやった。 『私はいつも、あなたと共に。ピース相談所』 「私、ピース相談所の矢崎と申します。」 男はいきなり話し始めた。 「心の欠けた部分を埋めるのが私達の役目です。あなたの心は欠けていますね。」電話の男、¨矢崎¨は淡々と話し始めた。

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