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歴史・時代1ページ

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所詮、この世には、私の心を理解できる者など、何処にも居ない。一度でいいから、あの空を舞う鳥達のように、自由に生きたい。この檻から出る事が出来るというのなら、私はどんな事でもする。孤独になってもいい。帝の位などくれてやる。他に何もいらない。自由。それだけを夢見て生きていた。・・・・・・・・・・・・・・・・『貞明様…。』ああ。また、お前か。お前がまた私を邪魔する。何故私に構う。これ以上、近くに来るな。来れば…、お前は……、傷つく。・・・・・・・・・・・・ ▒▒▒登場人物▒▒▒ ●陽成院貞明【ようぜいいん・さだあきら】母、藤原高子【ふじわらのたかいこ】の兄である藤原基経【ふじわらのもとつね】の陰謀によって、僅か九歳にして天皇となる。横行跋扈【おうこうばっこ】な性格のせいで、周りは敵だらけ。馬が大好きで、和歌が大嫌い。 ●綏子内親王【すいし/やすこないしんのう】貞明より二つ年上。貞明の妹君敦子内親王【とんし/あつこないしんのう】の遊び相手。幼少期の大部分を貞明と一緒に過す。慈悲に溢れていて、我慢強い。 ●紀君【きのきみ】藤原連長【ふじわらのつらなが】の娘。貞明元服の儀の時に出逢う。藤原家の者であるが、父の女癖により、身分はそれほど高くない。父と違って、多大なる野心家である。 ●姉子女王【あねこにょおう】陽成天皇の女官。陽成天皇元服二年後に陽成天皇の更衣として傍に置かれる。才色兼備であり、誰にでも平等に接する。綏子内親王入内を心が穏やかではない。 ●在原業平【在原業平】別名、在五中将。容姿端麗、放縦不羈【ほうじゅうふき】の情熱的な歌人である。身の回りには常に恋の噂が絶えない。かつて、高子の恋人であった。貞明の善き理解者。 ●藤原高子またの名を二条后【にじょうのきさき】。清和天皇の女御であり、貞昌の母であり、業平の情人であった。貞明の将来を心配しており、自分のような人生を歩ませたくないと思っている。 ●藤原基経高子の兄であり、貞昌の摂政。序列と礼儀を重んじている。何事においても真面目。