【完結】島流しされた役立たず王女ですがサバイバルしている間に最強皇帝に溺愛されてました!

二章 サバイバル生活

メイジーは頭を抑えながら体を起こした。
なんだか顎下辺りもヒリヒリと痛むような気がした。

『俺が国に帰るまでの暇つぶしになれ。役に立てよ、メイジー』

すると気を失う前の記憶が蘇ってくる。

(あの男……偉そうにっ! 何が暇つぶしよ! まるでどっかの王様ね。性格悪いわ)

メイジーは心の中で暴言を吐きまくっていた。
暇つぶし、役に立て、そう言ってメイジーの額に手のひらが触れた時のことを思い出すとズキリと額部分が痛む。
メイジーは苛立ちを感じつつ、顔を上げると……。


『生け贄、返された。ガブリエーレ様、気に入らない』

『コイツ、海、捨てる?』

『捨てない。ガブリエーレ様、殺すな、言った』


目の前にいる島民の女性を見つめながら、メイジーは目を見開いた。

(どうして言葉が通じるの……? さっきまで何を言っているかわからなかったのに)

メイジーはそう思いハッとする。
先ほどの言葉と頭の痛み。
ガブリエーレが島民たちと言葉が通じていたように、メイジーにもそうしてくれていたのだろうか。
でなければ辻褄が合わないが、あの意地悪そうなガブリエーレの顔を思い出していると、そんなことをするように思えない。
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