明治、一目惚れの軍人に溺愛されて
第4章 茶屋での密会
それから私は、家から少し離れた場所で桐島中尉と待ち合わせをするようになった。
人目を避け、向かう先はこの前立ち寄った茶屋。
「こちらへ。」
彼に導かれるまま階段を上がると、二階の奥に小さな座敷があった。
「ここなら、誰にも見つかりませんよ。」
桐島中尉は帽子を外し、机の上に置いた。
「ええ……でも、どうして茶屋の二階にこんな場所が?」
不思議そうに問いかけると、彼は静かに笑い、私の肩を抱き寄せた。
「秘密の逢瀬ってことですよ。」
耳元で囁かれたその声に、胸が大きく揺れる。
抱き寄せられた腕の強さに、全身が熱くなった。
畳の上に差し込む柔らかな光。
外のざわめきは遠く、ここだけが別世界のよう。
――誰にも言えない、私たちだけの時間。
「雪乃さん……」
真剣な眼差しに見つめられると、もう逃げ場はなかった。
私はただ、その胸に身を委ねていった。
人目を避け、向かう先はこの前立ち寄った茶屋。
「こちらへ。」
彼に導かれるまま階段を上がると、二階の奥に小さな座敷があった。
「ここなら、誰にも見つかりませんよ。」
桐島中尉は帽子を外し、机の上に置いた。
「ええ……でも、どうして茶屋の二階にこんな場所が?」
不思議そうに問いかけると、彼は静かに笑い、私の肩を抱き寄せた。
「秘密の逢瀬ってことですよ。」
耳元で囁かれたその声に、胸が大きく揺れる。
抱き寄せられた腕の強さに、全身が熱くなった。
畳の上に差し込む柔らかな光。
外のざわめきは遠く、ここだけが別世界のよう。
――誰にも言えない、私たちだけの時間。
「雪乃さん……」
真剣な眼差しに見つめられると、もう逃げ場はなかった。
私はただ、その胸に身を委ねていった。