極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う

33・あの雪の日のこと

 結局……街がそんな状態なので、孤児院に戻ってきた後もゆっくりできたとは言い難く。
 私が帰ってきたと知ったら、こぞって観光客が教会に押しかけて来て、大変な騒ぎになってしまった。

 ずさんな対応は聖教会のイメージダウンにもつながる。
 それからの数日は、教会での礼拝に参加させられるわ、町長に頼まれて街の広場でスピーチめいたことをさせられるわ、もう本当に恥ずかしい思いをすることに。

 これじゃ聖都で普通に聖女として働いていた方がまだ気が楽だったよ。
 あらかたの対応を終える頃には、私は新しい孤児院のテーブルにぐったりと突っ伏し疲れ果てていて……。

(うう……一週間の滞在予定の半分がこんなイベントで消費されてしまうなんて)
「ご苦労様。お茶を淹れてもらって来たよ」
「……すみません。聖騎士団長のお手をわずらわせて」
「いやいや。君が隠れ蓑になってくれたおかげで、僕はゆっくりできたから」

 お盆を携えて来たアルベール様が、私の前にお茶とお菓子を置いてくれる。お土産として聖都でたくさん買い込んできたバルミィ・プリーズ堂のフィナンシェは子ども達にも大好評だった。バターの味が濃くて美味しいんだよね、これ。
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