極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う

◇幕間 決戦を睨んで(ヴィーナ、アルベール視点)

◇(ヴィーナ視点)

「ううっ……眠れないっ!」

 魔帝国に寝返り、メナ様から魔女帝追討の任を仰せつかっていたアタシ――ヴィーナ・レグマーは……天幕に置かれた堅くて薄いマットレスから飛び起き、頭を掻きむしった。

『ははははは! 悔しかったら捕まえてみるがいい、称号だけのポンコツ聖女め!』

 このところろくに眠れた試しがない。
 何度も聞いたアルベールの嘲笑の声が、頭の中で木霊する。 

 ペストゥリ川での敗北後……死にそうな思いで氷の檻から抜け出したアタシは、預けられた五千名の兵と共に、魔女帝を追ってホルドキア領へと向かった。

 だが……そこに至るまでの道中で、アルベールの執拗な足止め工作にあってしまう。
 やつは狡猾で……時折姿を見せては我々の注意を惹きつけ、吊り橋や入り組んだ一本道などにアタシたちを誘導していく。
< 573 / 840 >

この作品をシェア

pagetop