極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う

48・負けてはならない戦い

 ――ぽたり……。 
 こめかみを汗が伝い、地面へと落ちた。

 メナとの戦いが始まったものの……数十秒もの間、私はそこから動けないでいる。

「……ふふ、怖いのかい。シーリ……」

 一方相手も、見下すように冷たく微笑んでこちらの出方を待つ。
 よくよく考えれば、私は聖女として戦った経験がほとんどない。訓練以外で他の誰かと本格的に争ったのは、アンジェリカ、そしてヴィーナの時のたった二戦。
 封印にも時間制限があるのはわかっている。それでも足が固まったように、踏み出せない。

「――はっ!」

 そんな中、火蓋を切って落としたのは、不意打ちで隣のルイーゼ様が発した強力な水鉄砲。
 いや……そんな表現も生温い、もはや激流。

 だがそれを……メナは手持ちのハードカバーから抜いた黒ページで――。
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