再召喚され全てを失った元聖女は、麗しの騎士団長様の溺愛で絶望から立ち上がる。

エピローグ

***

 プロポーズを受けた後のロード様の行動は、本当に早かった。

 神殿に私を送るや否や、プレゼントを受け取るセイロン様にすぐさま報告。セイロン様はイヤリングを喜んでいる間もなく、すぐに神殿中に伝達が回った。

 翌日には王様の知るところとなり、さらにその翌日には大々的にロード様と私の婚約が正式に発表。

 聖女が戻ってきたこと、先日の瘴気騒ぎを鎮めたのが私だということ、そしてロード様との婚約。全てを一気に知った国民たちはそれはお祭り騒ぎになり、国中が大変なことになった。

 いきなり現れた私と王族のロード様が婚約だなんて反対されるのでは、と思っていたけれど、この世界ではこれが普通のようで当たり前のように受け入れられてそちらの方が驚いた。

 セイロン様には"妹を嫁に出す気分だ"と言われ、リゼやミレアは泣いて喜んでくれた。アレン君は両手を上げてお祝いしてくれて、たくさんのおめでとうの言葉をもらい私が恐縮してしまう。

 王様へ呼ばれた際、改めて私のロード様への想いとこの国に残ることを誓った。


「これからはそなたもわしの家族だ。ロードを選んでくれて、ありがとう」


 その言葉で、本当に私の帰る場所ができたんだと涙が溢れた。

 そして国が少し落ち着きを取り戻し始めたころ。私は正式に王宮に引っ越すことになり、今日からロード様のお部屋で一緒に暮らすことになった。

 結婚自体はもう少し先。王族の結婚は国際規模のお祝いをするのが習わしらしく、一ヶ月後に他国の王族や貴族たちを招待して披露宴のような大きなパーティーを開催してくれるらしい。これからダンスや作法も覚えないといけなくて、なかなか大変そう。

 まさかの規模とスピード感に全くついていけていない私だったけれど、当のロード様はずっとにこにこして嬉しそうで。


「セーラ」


 初めて部屋に入った私を両手を広げて迎え入れてくれたことがたまらなく嬉しく、私もその胸に飛び込んだ。


「ロード様。今日からよろしくお願いします」

「こちらこそ。……あぁ、本当にセーラがいる」

「ふふ、いるに決まってるじゃないですか」

「まだ信じられないんだよ。セーラと婚約できたことが」


 私の存在を噛み締めるようにぎゅうぎゅうに締め付けてくるロード様が、愛おしくてたまらない。


「あれだけの速さで王様からの許可をとったのに?」

「それだけセーラを手放したくなくて必死だったってこと」


 顔を上げると、ロード様がゆっくりと目を閉じて近寄ってきて。

 そっと瞼を下ろすと、重なる唇。


「……っ」

「セーラ、顔真っ赤。かわい」

「だって……初めてだから」

「っ……そういうこと言われたら、もうたまんなくなる」


 もう一度重なった唇は、最初は触れるだけだったのに徐々に深く甘くなっていって。


「ん……ふ、んんっ……」


 気付けば私を食べるかのように濃厚なものに変わる。

 息ができなくて、苦しくて。それなのに甘くて愛おしいと思うから不思議だ。

 ゆっくりと唇が離れると、額を重ねて見つめ合う。


「……セーラ」

「はい」

「愛してる。必ず、俺が幸せにするから」

「……はい。私も、愛してます」


 end
 
< 110 / 110 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:1

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

何も言わないで。ぎゅっと抱きしめて。

総文字数/63,016

恋愛(純愛)116ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「俺、今やばい。舞花がめちゃくちゃに可愛く見える」 「……え?」 「舞花って、こんなに可愛かったっけ?」 そう言って、貴方は私を抱いた。 でも、貴方が好きなのは、私じゃないでしょう? 私に、あの子を重ねていただけなんでしょう? 涙を隠して、貴方の前から姿を消した。 あれから三年。 東京に戻ってきた私には、 小さな宝物ができていた─── *・゜゚・*:.。..。.:*・・*:.。. .。.:*・゜゚・* 大手化粧品メーカー:TOKIWA 副社長付第一秘書 津田島 舞花 Tsudashima Maika × 大手総合商社: 佐久間商事 専務取締役 鷲尾 隼也 Washio Shunya *・゜゚・*:.。..。.:*・・*:.。. .。.:*・゜゚・* 隼也には、他に好きな子がいるはずなのに。 「本当に、あの舞花なんだよな?俺の知ってる舞花なんだよな?夢じゃないよな?」 あの一夜のことは、覚えていないはずだったのに。 「舞花。……俺、三年前の金曜日のこと。ちゃんと覚えてるんだ」 どうして。 「あの時の子どもなんだろ?」 「舞花の口から本当のことを聞きたい」 「舞花、好きだ。大好きだ」 「舞花、結婚しよう」 これは夢ですか──? 【幼馴染×シークレットベビー】 *2022.02.23公開* *2022.02.25完結* ※29ページ、内容が一部抜けておりましたので追加しております。 話が繋がらずにご迷惑をおかけしました。 (2022.02.28修正済み)
年上幼馴染の一途な執着愛

総文字数/102,489

恋愛(純愛)154ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
ある年の暮れ、 二股をかけられた挙句に振られた夕姫は 傷心の中久しぶりに 地元に帰省することにした。 そこで再会したのは、 幼い頃からずっと一緒にいた幼馴染であり、 兄の親友の日向。 もう一人の兄のように慕っていたのに、 年越しの瞬間、 日向は覚悟を決めたようにキスをした── *・゜゚・*:.。..。.:*・''・*:.。. .。.:*・゜゚・* 男運ゼロ。傷心中のOL 秋野 夕姫 × 一途すぎるが故に拗らせたイケメン 屋代 日向 *・゜゚・*:.。..。.:*・''・*:.。. .。.:*・゜゚・* 「溶けるくらいに甘やかすつもりだから」 一途すぎる想いは、甘い甘い執着となっていた。 日向のこんな表情、私は知らない。 *2023.12.07公開* *2024.1.27完結* ※Rシーンありの同作品は他サイト様にて公開中です。 素敵なレビュー、感想ありがとうございます!
僕と一緒に、楽園へ行こう。

総文字数/8,712

ミステリー・サスペンス9ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
これは、とある男の独白である。 ※アナザーベリーズ応募用作品です。 ※バッドエンドとなっておりますので、閲覧の際はご注意ください。 他サイト様でも公開中です。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop