再召喚され全てを失った元聖女は、麗しの騎士団長様の溺愛で絶望から立ち上がる。
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瘴気の秘密

 セイロン様はその後無事に回復して、私たちは再び浄化活動を再開することになった。

 と言っても、問題のあの地域。ハリスという田舎町だが、そのハリスの浄化は詳しい調査が必要として、他の地域を先に回ることになった。


「ハリスのように濃い瘴気があるなら早めに知っておきたいし対策を取らねばならない。セーラ、セイロン、ここから先はさらに忙しく過酷になるぞ」

「わかってます」

「承知の上です」

「セーラ、浄化が難しそうなら俺の魔力を送ることもできる。それでいけるかどうかも試してみよう」

「わかりました」


 しかし行ってみると、ハリスのような地域は他にはなく。どこも今までと同じ瘴気で、魔獣は出てくるものの皆がその気配を感じられた。

 浄化も問題なく進み、二、三日繰り返すと瘴気が出たと報告のあった地域のほとんどが解決してしまっていた。


「あとは数箇所。そしてハリスを残すのみか」

「報告がないだけでこれからまた増える可能性もあります」

「そうだな。油断はできない」


 王宮の応接間で、三人でテーブルを囲むようにソファに腰掛ける。

 テーブルの上にはドラムトン王国の地図。そして、今まで瘴気が観測された地域には印がつけられていた。

 その印は規則性がなく、点在しているように見える。

 ハリスの場所だけが大きなまるで囲われていて、そこが今一番の重要ポイントだというのは誰が見ても明らかだった。


「……被害者の治療の方はどうだ?」

「現場にはカイエンが。問題無く治療できていると報告も上がっております」

「そうか」


 神殿に運ばれていないけれど被害にあった人々は、カイエン様率いる神官たちがその地域に出向いて浄化を施している。

 中には手遅れになってしまった人や後遺症が残ってしまった人もいるらしいが、ほとんどの人は問題無くいつもの生活に戻ることができているらしい。


「あとは被害地域の復興だな。作物がほとんど枯れてしまっているんだ。しばらくは税の徴収も見込めないだろう」

「それどころか食料問題に繋がります。明日食べるものにも困る国民が溢れてしまう」

「それは王様が対策している。被害に遭った地域には国で備蓄している作物を配給する予定だ。さらにすでに他国と貿易のやりとりを進めているから大丈夫だろう。まぁ、かなりの額を吹っかけられているらしいが」


 王様も不本意だろうけれど、背に腹は変えられない。国民のために私に頭を下げるような人だ。王様ならどんな方法を使ってでもきっとより良い解決方法を見つけるだろう。
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