再召喚され全てを失った元聖女は、麗しの騎士団長様の溺愛で絶望から立ち上がる。

真相への仮説

***

 それからのロード様の動きは、早かった。

 王様との謁見でセイロン様が調べ上げた内容を伝えたことにより、すぐに調査隊が結成。

 ロード様が先頭となって赴くと言うから心配になったけれど、


「俺のことは心配いらない。だって、お守りがあるからな」


 首に下がるアミュレットを誇らしげに見せてくれたから、私は頷いた。


「セイロン様も行くのでしょう?」

「えぇ。今回はカイエンも同行させます。有能な神官が多い方がいいですから。ですので、何かあれば他の神官に仰ってください」

「わかりました」


 私も行きたいと申し出てみたけれど、ロード様を始めセイロン様、王様にまで断固拒否されてしまいお留守番となってしまった。

 どれくらいの日数になるかがわからないため、私は一度神殿に戻り休息を取ることに。リゼと離れる寂しさはあったものの、久しぶりにミレアとアレン君に再会してそれはそれですごく嬉しかった。


「セーラさま! 見てください!」

「なに?」

「ドラムトン王国のちずです!」

「すごい。アレン君が作ったの?」

「そうです! これをもとに、セーラさまにドラムトンについてたくさんおしえるので、いっしょにおべんきょうしましょう!」


 アレン君が手作りの地図を見せてくれて、そこには王都を中心とした絵が広がっている。ついこの間ロード様とセイロン様と囲んでいた地図と遜色の無い出来栄えに、将来大物になりそうだなと勝手に嬉しくなった。

 翌日、アレン君がいそいそと地図を持ってきて私にドラムトンの歴史を教えてくれる。


「まず、ドラムトンのなりたちからお話しします」

「な、成り立ち!?」

「はい。まず――」


 子どもだからと侮っていたら、意外にも本格的な授業をしてくれるから本当に驚いた。

 千年前の瘴気問題を含め、国の成り立ちから今のドラムトン王国に至るまでの過程をわかりやすく説明してくれて、この短期間の間でどれだけアレン君が勉強したのかがわかる。


「たいせつなのはここです! いいですか? このときに、セーラさまのようなセイジョさまがいたんです!」

「はい。王様に聞きました」

「このセイジョさまは、ものすごいはやさで国をジョウカしてくれました!」


 王様に聞いた、遥か昔の聖女の話もしてくれて。この国にとって、聖女という存在がいかに大切で救世主のような存在なのかを改めて理解した。

 その後も他国との戦争や国の飢饉問題、貿易なんかも幅広く説明してくれて、アレン君は完全に私の教育係だ。
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