聖女の力を搾取されて使い捨てられた元聖女は、辺境地へ国外追放されて冷酷聖騎士に溺愛されながら運命愛に導かれました

15.魔王VS冷酷聖騎士王太子

 ウィラルドの背後にいる不安げな表情のマリーを見ると魔王は不敵に笑う。
 (ウィラルド、マリーを守れ!)
 ウィラルドの頭の中でエドワルドの声が響く。
 「俺はマリーの聖騎士です。必ず守ります」
 ウィラルドは英雄聖騎士エドワルドの聖剣を両手で構える。
 「アンナの生まれ変わりのマリー。お前は誘惑よりこの方が効くだろう」
 マリーの足元にレユスットの時と同じ魔法陣が現れる。
 「きゃあっ!」
 マリーは激しい脱力感に襲われて立っていられず、その場に座り込む。
 白とピンクの粒子が集まった光が魔王の魔法陣に吸い取られていく。
 「マリー!」
 ウィラルドは魔法陣の中へ入り、マリーを支える。
 「聖女の力が抜けていく……」
 マリーは弱々しくウィラルドに呟く。
 「魔王、貴様!」
 ウィラルドは魔王を憎々しく睨む。
 「このまま吸い取り続ければ、生命力が聖女の力に変換される。マリー、お前はいずれ死ぬ」
 広場の人々がマリーとウィラルドを真剣な表情で見守っていると、上空からやってきた一人の人物は広場の人々に気づかれないように地上へ舞い降りる。
 マリーがいた聖女修道院の大聖女セレスティナが慌てて広場に駆けつける。
 「これは……! 魔王、今度はマリーまでも……」
 セレスティナはウィラルドがマリーを支え、マリーは耐えるように魔王の魔法陣の中にいるのを目撃して驚愕する。
 魔王はマリーの聖女の力を吸い取り続けるが、全く底が見えない。
 「人間にこれほどの力の量があると言うのか?」
 マリーは苦悶の表情を浮かべていると、マリーが首から下げている聖女のロザリオが白く光って宙に浮く。
 マリーは聖女のロザリオを握り、力強く瞳を開く。
 「ウィラルド様、わたしは大丈夫よ」
 ウィラルドに支えられているマリーは自力で立ち上がると同時にマリーの中にいるアンナも立ち上がる。
 ウィラルド、魔王、セレスティナの脳内にアンナの声が響く。
 (わたしは大聖女アンナ。聖女はわたしに祈ることで聖女の力を得ることができる。
 マリーはわたしの生まれ変わり。わたしがマリーの中で目覚めたことによって、マリーは無限に聖女の力を使える。もう生命力に置き換わることはないわ)
 マリーは聖女のロザリオを両手で握り、力強く立つ。
 「わたしは二度と倒れないわ」
 マリーが宣言する声と脳内に響くアンナの声が重なる。
 許容量を超えた魔王の魔法陣は霧散して消滅する。
 魔法陣が吸い取った白とピンクをしたマリーの聖女の力は本人の身体に戻っていく。
 「マリーの聖女の力が無限?」
 ウィラルドとウィラルドの中にいるエドワルドは驚いた表情をする。
 セレスティナは驚いたが、表情を崩す事はなかった。
 「馬鹿なーー」
 魔王はただ驚愕するしかなかった。
 マリーは聖女のロザリオを両手で握り、瞳を優しく瞑ってアンナへ祈る。
 (アンナ様、ありがとうございます)
 マリーはアンナが自分に力を貸してくれた事に感謝して祈る。
 マリーには見えていないが、マリーの中にいるアンナはマリーの感謝に微笑み返す。
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