聖女の力を搾取されて使い捨てられた元聖女は、辺境地へ国外追放されて冷酷聖騎士に溺愛されながら運命愛に導かれました
12.前世と現世
ウィラルドはマリーがヘレナたちと出かけるためフィデリックと共に馬車に乗り、王都の城下町へ向かうのを見送った。
ウィラルドは馬車が見えなくなるまで見送ると、自分の執務室へ戻って執務を始めた。
ウィラルドは執務の途中、時折手を止めて窓の外へ視線を向けて考え事をしている。
マリーはヘレナたちと楽しく遊んでいるのだろうか。
マリーも歌劇の後に同じ夢を見たのだろうか。
マリーはウィラルド自身の事をどう思っているのだろうか。
ウィラルドはマリーの事を考え出すとキリがなく、手を止めては動かしての繰り返しになっている。
ウィラルドが一番気になっているのは、マリーが大聖女アンナの生まれ変わりという事だ。
ウィラルドはマリーがウィラルドを通して英雄聖騎士であるエドワルドを好きなのではないかという不安もあるが、一番の心配はアンナの生まれ変わりであるマリーが魔王に襲われないかという事だ。
大聖女アンナ伝説では、魔王はアンナの命を狙っていた。
生まれ変わりのマリーの命を狙う可能性は十分にある。
ウィラルドはマリーへ不安を与えないために本当の理由を伏せて、フィデリックを護衛に付けて城下町へ送り出した。
(何事もなければいいのだがーー)
ほとんど確証していたが、ウィラルドはマリーと同日に見た夢によって自分が英雄聖騎士であるエドワルドの生まれ変わりである事を確信した。
ウィラルドは自分の手のひらを見つめ、自分がエドワルドの生まれ変わりである証拠を思い出す。
エドワルドの愛馬である聖獣ペガサスが自分の元にいる事。
マリーの祈りによって聖剣が白く光り、普段以上の力を出せた事。
鍛錬は人の何十倍もこなしているが、ウィラルドはなぜ自分がこんなに強いのか、強さを求めているのかを納得した。
(この力はアンナ様を、今はマリーを守るための力なのか。俺はマリーを守れるのだろうか。……いや、何があっても絶対に守る)
ウィラルドは見つめている手を強く握り、拳を作る。
ウィラルドが拳を見つめていると、優しくて可愛らしいマリーの顔が頭の中に浮かぶ。
ウィラルドは自身の好きな女性のタイプをほとんど考えた事がなかった。
しかしあの時ーー。
倒れているマリーを見た途端、何かを思い出すように脳内と心に今まで知らなかったものが溢れていった。
ウィラルドの中にエドワルドの記憶が溢れていった事、倒れている初対面のマリーへキスをした事が、今なら理解できる。
(マリー、ずっと俺のそばにいてほしい。……いや、それだけでは足りない)
「マリー、俺とーー」
ウィラルドが無意識に声に出すと、不意に執務室の扉がノックされた。
ウィラルドは扉へ視線を向けると、入ってきたのはウィラルドの執事だ。執事はウィラルドへ会議の時間を知らせにやってきた。
ウィラルドは会議へ向かうため、執務室を出た。
ウィラルドは馬車が見えなくなるまで見送ると、自分の執務室へ戻って執務を始めた。
ウィラルドは執務の途中、時折手を止めて窓の外へ視線を向けて考え事をしている。
マリーはヘレナたちと楽しく遊んでいるのだろうか。
マリーも歌劇の後に同じ夢を見たのだろうか。
マリーはウィラルド自身の事をどう思っているのだろうか。
ウィラルドはマリーの事を考え出すとキリがなく、手を止めては動かしての繰り返しになっている。
ウィラルドが一番気になっているのは、マリーが大聖女アンナの生まれ変わりという事だ。
ウィラルドはマリーがウィラルドを通して英雄聖騎士であるエドワルドを好きなのではないかという不安もあるが、一番の心配はアンナの生まれ変わりであるマリーが魔王に襲われないかという事だ。
大聖女アンナ伝説では、魔王はアンナの命を狙っていた。
生まれ変わりのマリーの命を狙う可能性は十分にある。
ウィラルドはマリーへ不安を与えないために本当の理由を伏せて、フィデリックを護衛に付けて城下町へ送り出した。
(何事もなければいいのだがーー)
ほとんど確証していたが、ウィラルドはマリーと同日に見た夢によって自分が英雄聖騎士であるエドワルドの生まれ変わりである事を確信した。
ウィラルドは自分の手のひらを見つめ、自分がエドワルドの生まれ変わりである証拠を思い出す。
エドワルドの愛馬である聖獣ペガサスが自分の元にいる事。
マリーの祈りによって聖剣が白く光り、普段以上の力を出せた事。
鍛錬は人の何十倍もこなしているが、ウィラルドはなぜ自分がこんなに強いのか、強さを求めているのかを納得した。
(この力はアンナ様を、今はマリーを守るための力なのか。俺はマリーを守れるのだろうか。……いや、何があっても絶対に守る)
ウィラルドは見つめている手を強く握り、拳を作る。
ウィラルドが拳を見つめていると、優しくて可愛らしいマリーの顔が頭の中に浮かぶ。
ウィラルドは自身の好きな女性のタイプをほとんど考えた事がなかった。
しかしあの時ーー。
倒れているマリーを見た途端、何かを思い出すように脳内と心に今まで知らなかったものが溢れていった。
ウィラルドの中にエドワルドの記憶が溢れていった事、倒れている初対面のマリーへキスをした事が、今なら理解できる。
(マリー、ずっと俺のそばにいてほしい。……いや、それだけでは足りない)
「マリー、俺とーー」
ウィラルドが無意識に声に出すと、不意に執務室の扉がノックされた。
ウィラルドは扉へ視線を向けると、入ってきたのはウィラルドの執事だ。執事はウィラルドへ会議の時間を知らせにやってきた。
ウィラルドは会議へ向かうため、執務室を出た。