聖女の力を搾取されて使い捨てられた元聖女は、辺境地へ国外追放されて冷酷聖騎士に溺愛されながら運命愛に導かれました

13.二人の気持ち

 翌日。
 マリーはウィラルドに言われた通りにいつもの時間に執務室へ来たが、ウィラルドはまだいない。
 マリーはそのままウィラルドが執務へ取りかかれる準備をしていると、ウィラルドは普段の時間の一時間以上遅れてやってきた。
 ウィラルドは遅れた理由を言わず、マリーへ挨拶もなしに無言で執務に取りかかる。
 マリーはウィラルドの横にある自分のデスクで言われた事をこなしていく。
 マリーはウィラルドを怒らせてしまったと思い、不安になってウィラルドへこっそり視線を移す。
 黙々と執務をこなすウィラルドは怒っているというより、思い詰めているように見えた。
 ウィラルドの視線がマリーへ向き、マリーは慌てて書類に目を落とす。

 何十分経っただろうか。
 二人が書類だけに集中していると、不意にウィラルドが手を止めてマリーの名前を思い詰めたように呼ぶ。
 「マリーはーー」
 名前を呼ばれ、マリーも手を止める。
 「マリーは俺からバラの花を贈られたいと思うか?」
 ウィラルドは慎重な声でマリーに問う。
 マリーは目を見開いて静かに驚いて答える。
 「……欲しい、です」
 マリーはエドワルドがアンナへ白バラを贈った意味を知っている。
 ウィラルドが言っているのはマリーが思っている意味を指していると思い、自分の意志を伝える。
 ウィラルドはマリーから答えを聞くと、勢いよく立ち上がる。
 「少し席を外す。この部屋で待機していてくれ」
 ウィラルドは足早に執務室を出て行った。
 マリーはウィラルドの行動が読めず、執務室を出て行くウィラルドを見送った。
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