辺境のちっちゃな捨てられ領主は敵国女帝のお気に入りのようです~転生幼児、最強の家族とスキルを持つ秘密兵器でした~
第一章 捨てられた領主と小さな村
その日、ルーヴェルン王国のラプハート辺境伯家では、にぎやかにパーティーの準備が行われていた。
 長男タヴィオ、次男ヴァイノ、そして三男トーリ。
 長男と次男は、五歳の誕生日に行われるスキル鑑定で辺境伯家に必要なスキル、それぞれ剣術と槍術のスキルを授かったことが判明した。長男、次男と続けて素晴らしいスキルを授かったことから、三男のトーリもそうだろうとラプハート辺境伯家の人々は朝から盛り上がっている。
 テーブルに並ぶのは、トーリの好物であるチキングラタン、ローストビーフ、ハニーケーキにその他たくさんの御馳走。

(……これで、有用なスキルじゃなかったら、手のひらを返すんだろうな)

 領主の屋敷全体が浮かれた空気に包まれる中、トーリだけは冷静だった。行き来している人達を見る彼の目には、どこか冷めた色がある。

(前世で読んだんだよ、こういうの嫌ってほど読んだ!)

 トーリ・ラプハートには前世の記憶がある。日本という国で暮らし、三十歳になる前に命を落とした記憶が。
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