転生聖女の労働環境改革〜処刑まで残り180日。ブラック教会をホワイト化して生存ルートを勝ち取ります。監視役の騎士様がいつの間にか私にだけ過保護な最強の番犬に!
24 密書の波紋
玉座に腰かけた老王フレドリクは、何も言わず、ただ天井の文様を見上げていた。
そのまなざしは、かつて数多の戦場を渡ってきた男のものだったが、今はただ遠くを見つめるような穏やかさをたたえている。
「……あの子の力の話を聞いたか」
控えていた近衛長が静かに頷いた。
「はい。教会より報告が上がっております。幽閉されている塔周辺に、季節外れの花を咲かせたそうです。寒さにも関わらず、まるで春が訪れたかのような……」
王は静かに目を閉じ、短く息を吐いた。
「フェルディナンが、つまらぬ『戯れ』を起こさなければ……あの子にもまた、あるいは、違う運命があったかもしれんな」
その言葉に、近衛長は何も返さなかった。
主が抱える後悔は、彼にさえも触れられないものだった。
フェルディナンとは、王の息子であり現王太子。若き頃の彼は自由を愛し、王族の責務を厭い、あろうことか一人の侍女を愛し、そして捨てたのだ。
そのまなざしは、かつて数多の戦場を渡ってきた男のものだったが、今はただ遠くを見つめるような穏やかさをたたえている。
「……あの子の力の話を聞いたか」
控えていた近衛長が静かに頷いた。
「はい。教会より報告が上がっております。幽閉されている塔周辺に、季節外れの花を咲かせたそうです。寒さにも関わらず、まるで春が訪れたかのような……」
王は静かに目を閉じ、短く息を吐いた。
「フェルディナンが、つまらぬ『戯れ』を起こさなければ……あの子にもまた、あるいは、違う運命があったかもしれんな」
その言葉に、近衛長は何も返さなかった。
主が抱える後悔は、彼にさえも触れられないものだった。
フェルディナンとは、王の息子であり現王太子。若き頃の彼は自由を愛し、王族の責務を厭い、あろうことか一人の侍女を愛し、そして捨てたのだ。