──その日、一人の聖女が崖下の側へと身を投げた。 双子の妹こそが真の聖女であると語る皇太子に婚約破棄を突きつけられたからだ。 敵国に流れ着いた聖女フリジアは、悪逆非道の皇帝セドリックに見初められる。 「俺が君を、守ってみせる」 「もう二度と、繋いだこの手は離さない」 「エル・アルカ・ディーネ。祝福の光を」 流行り病の蔓延を癒しの力で未然に防いだフリジアは、アーデンフォルカ帝国で愛されし聖女となる。 「ゆ、幽霊！？」 セドリックと共に母国へ姿を見せたフリジアに驚く皇太子へ、彼女は自ら印籠を渡す。 「聖女のいない国に、祝福は訪れない」 ――これは七年間虐げられた聖女の、逆転劇。

「私が、社長の娘!?」 ――ある日、私の生活は一変した。 「君と結婚する代わりに、すべてを捧げよう」 憧れの副操縦士が、許嫁だったなんて聞いてない！ 「身体から始まる恋も、あると聞くが」 ベリが丘のノースエリアで暮らす彼と、 庶民の生活が染みついた私が結婚なんかしたって、 うまく行くはずがないのに――。 ＊ 三木　航晴（みき　こうせい） LMM航空で働く28歳の副操縦士（パイロット） 千晴の許嫁。 真面目で誠実なイケメンで、金遣いが荒い。 × 峯藤　千晴（みねふじ　ちはる） LMM航空で働く26歳のCA。 ある日突然社長のシークレットベビー （隠し子）だったことが発覚する。 ラグジュアリーな生活とは無縁だったが…？ ＊ 「ずっとこの日を、待ち望んでいた。 最初で最後のつもりで、愛し抜くと誓おう」 「私から目を、逸らさないで」 ――身も心も甘く、満たされて。 　私は彼に、愛を注ぎ込まれる―― 2024/2/18　開始 2024/3/9　完結 2024/3/11・3/13　誤字修正

「別れてくれ」 　許嫁の安堂清広から一方的に別れを切り出された金沢つぐみは、深く傷つく。 　もう二度と恋なんてしないと、固く誓ったのに――。 「ーー俺の許嫁に、何をするつもりだ」 　ーー10年後。 　上司の披露宴で彼と再会した彼は、同僚の言いがかりからつぐみを救った。 「もう二度と、繋いだこの手は離さない」 「つぐみは俺のものだ。誰にも渡さないし、傷つけさせない」 「愛している」 　独占欲を爆発させた彼は、戸惑う彼女に同棲を迫り――？ ＊ 安堂　清広（28）あんどう　きよひろ 海上自衛官で潜水艦の乗組員（海曹長・水測） 真面目で仕事熱心。 つぐみに向ける愛は誰よりも重い。 × 金沢　つぐみ(26)かなざわ　つぐみ 各地を転々とする限界保育士。 大人しい性格で、よく仕事を押し付けられる。 清広にだけはよくキレる。 2024.1.22～2.5

「久しぶり、星奈さん」 　7年ぶりに再会した先輩は、消防士になって私を迎えに来た。 「今すぐ結婚したいと思うほど、君が好きだよ」 　どれほど失礼な態度を取っても、彼は私を諦めなくて……。 　火災によって住む場所を失ったことで、私達の仲は急速に縮まっていく。 「俺を、好きになってよ」 　地味で、なんの取柄もなくて。 　妹の引き立て役にしかなれなかった私にもーー幸せになる権利は、ありますか？ 　＊ 　関宮香月（せきみや　かづき） 　26歳。救助隊一班の小隊長。階級は消防司令補。 　一途に星奈を想う。 　× 　宇多見星奈（うたみ　せな） 　25歳。カフェ宇多見で厨房を担当。 　同い年で腹違いの妹に、召使い扱いされていた。 　内心では香月を気にしている。 　投稿開始：2025/4/10～