プロフィール

ゆのか
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作品一覧

声にならない、さよならを
ゆのか/著

総文字数/33,917

恋愛(学園)21ページ

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この物語は、「再会」が幸せの始まりではなく、 “終わり方を見つけるための最後の時間” になるお話です。 昔好きだった人。 もし、もう会わないと思っていた人に再び出会ったら—— きっと心は揺れてしまうでしょう。 変わっていない笑い方に、失われていたはずの季節がよみがえることもあるはずです。 でも、大人になればなるほど、 「気持ちだけでどうにもならないこと」が増えていきます。 誰かの生活、誰かの未来、自分の選択。 恋より大切なものがあると知ってしまっても、 それでも消えない想いも確かに存在します。 柚李、蒼士、春斗の三人は、 どれも“正しい”気持ちを抱えたまま、 それぞれに苦しい選択をしなければなりません。 誰も責められない、でも誰も報われきらない。 そんな切なさを丁寧に描きたくて、この物語を書きました。 読み終えたあと、 あなたの心にほんの少しでも、 「忘れられない誰か」の記憶に触れるような余韻が残れば嬉しいです。
君を隠したあの夏
ゆのか/著

総文字数/12,961

恋愛(学園)10ページ

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あの夏を、私はまだ覚えている。  「暇だからいいよ」──そう答えたあの日。  中学1年の七月、青郎に告白されて、軽い気持ちでうなずいた。  でも本当は、あの瞬間から何かが変わっていたんだと思う。  青郎は、誰よりも明るくて、クラスの中心にいた。  私はその光が少しまぶしくて、だから決めた。  「この関係、誰にも言わない。隠すためなら、なんでもする」って。  秘密であることが、ふたりだけの絆のように思えた。  放課後の体育館裏、机の下でつないだ手、誰にも気づかれないように笑い合った日々。  どんなに隠しても、心の奥では、あの人だけでいっぱいだった。  2年の春、初めて「好き」と伝えた。  青郎は驚いたように笑って、そっと私の頭を撫でた。  あの瞬間、初めて“恋”が本物になった気がした。  冬、席が隣になってからは、毎日のように机の下で手を繋いでいた。  3年の春、修学旅行でバレないように手を繋いで、あーんして。  周りに隠しながら、心の中では「ずっと一緒にいられますように」と願っていた。  でも、冬。受験の時期。  青郎が遠い高校に進むと聞いた夜、涙が止まらなかった。  だけど、「青郎の夢を応援したい」と思った。  理科の授業中、先生にバレないように彼の面接練習をしていた日々は、  恋人としての最後の時間のようだった。  高校生になってからも、好きだった。  でも、遠距離は想像以上に冷たくて、痛かった。  七月七日──あの日、青郎は言った。  「お互いを思って、ここで終わりにしよう」  そして、約束をした。  「成人式でまた会おう。その時まだ好きだったら、今度は結婚前提で付き合おう」  時が経っても、青郎以外に“好き”と思える人はいなかった。  そして、青郎もまた、誰かと付き合っても、私を忘れられなかった。  あの夏、隠した恋は、今も胸の奥に息づいている。  誰にも見せなかった恋が、確かにここにあった。  ──これは、時間を越えて続いた“初恋”の物語。

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