あっこぱん。さんの作品一覧

あの夢の続き

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恋愛(純愛)1ページ

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「うるさいなぁ。ここは、どこ?」 熱狂が渦巻くライブ会場。 記憶を失い、恐怖で逃げ出した私を引き留めたのは、 トップアイドルとして世間を騒がせる男――透だった。 「あの家、もう契約の手続き進めてるから」 ふたりで探した古い平屋、誰の目も気にせず暮らす約束。 けれど、今の私にはそのすべてが見知らぬ誰かの思い出でしかない。 ――私は、誰かの体を乗っ取ってしまった偽物なんじゃないか。 凍りつくような自己不信に怯える私を前に、透は冷たく背を向けた。 「……これ以上一緒にいても、意味ないだろ」 突き放された言葉の裏にあったのは、拒絶ではなく、 愛する人に「誰?」と見つめられた男の、血を流すような絶望だった。 記憶を取り戻したとき、私は彼を決定的に傷つけた罪の重さに打ちのめされ、 名前も気配も消して、都会の片隅で息を潜める道を選ぶ。 二度と会ってはいけない。それが私の唯一の償い。 それから、3年の月日が流れた。 ふたりで暮らすはずだった荒れ果てた廃屋の庭で、運命は再び静かに動き出す。 数メートルの距離を隔てて立ち尽くす透の手のひらにあったのは、 かつてふたりで買った、あの擦り切れた安物のキーホルダーだった――。 言葉を失った男の沈黙と、引き裂かれた時間の果てにある赦し。 記憶の喪失をめぐる、痛切で静かな大人の純愛サスペンス。 【短編・完結】
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